四十七日目/風呂好きな男

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四十六日目/文書入れ四十八日目/カテゴリー万歳

四十七日目/ 風呂好きな男(ふろずきなおとこ)[編集]

タイトルの元ネタは古典落語の『風呂敷間男』より。

お崎は旦那の熊五郎が留守にしている最中に家に間男を連れ込み、しっぽりよろしくやっていた。
ところが熊五郎の帰りが思いのほか早く、慌てたお崎は間男を戸棚の中に隠し、隙を見て逃がそうとする。
だが、熊五郎は帰るなり戸棚の前でいびきをかいて寝てしまい、間男を逃せない。
どうしようもなくなったお崎は熊五郎の兄貴分の鳶頭に洗いざらい打ち明け、助けを求める。
鳶頭はお崎の頼みを聞き入れ、風呂敷を用意すると…。

元は上記のように下ネタありの艶笑落語で、オチも不貞がバレて終わるものだった。
しかし、太平洋戦争中に禁演落語に指定[1]された影響から下ネタ要素が除かれ、間男ではなく幼馴染(もしくは近所の男)を家にあげて話し込んでしまい、不貞を疑われるのが嫌で鳶頭に助けを求めるというストーリーに変更されている。
そのため現在では「間男」をとって『風呂敷』というタイトルで演じられる。

作品情報[編集]

2013年6月7日発売、別冊少年マガジン7月号に掲載。

P88[編集]

扉絵[編集]

人形を乗せた乳母車を押しながら短冊を見つめる暗落亭苦来と、その姿に怯える蕪羅亭魔梨威波浪浮亭木胡桃

短冊「一〇〇万ペソほし*」[編集]

かつてアルゼンチンで発行されていた100万ペソ紙幣のこと。
アルゼンチンでは1970年代からインフレとなり、1983年にデノミが実施[2]されるまで100万ペソ紙幣が使用されていた。
こうした背景をネタに、『かってに改蔵第39話でも勝改蔵坪内地丹の所持金をペソに両替してしまったことがある。

数字の桁が大きい高額面紙幣として有名だったが、近年ではこの上を行くジンバブエ・ドル(最高額は100兆ドル紙幣)に存在感を奪われている。

短冊「海賊王になる。」[編集]

頻出ネタの『ONE PIECE』から。

海賊王におれはなる!!!

短冊「赤ちゃんが元気に育ちますように」[編集]

扉絵に合わせた苦来の短冊。

短冊「世界征服」[編集]

子供時代のあるあるネタ

欄外(雑誌掲載時のみ)[編集]

スクスク育ってます…孟宗竹に実った妄想が。[編集]

「モウソウ」をかけた駄洒落。

孟宗竹は中国原産の竹の一種。
日本には平安時代に持ち込まれ[3]、筍にえぐ味が少ないことから食用としても重宝され、江戸時代以降になって全国に広く植栽された。日本の竹の中で最大級のため、七夕では大規模な笹飾りに用いられることがある。
なお、「孟宗」は三国時代の呉の政治家の名前で、親孝行の人物として有名。母の好物の筍を旬ではない時期にも探し求めて母に食べさせた「雪中の筍」という故事があり、これが「孟宗竹」の由来となっている。

P89[編集]

欄外(雑誌掲載時のみ)[編集]

GAL落語家の登場!?…ではないようです。[編集]

1コマ目[編集]

七夕飾り[編集]

「吹流し」と呼ばれる種類の七夕飾り。
吹流しをメインに飾るものとして、東北三大祭りの一つ「仙台七夕まつり」が有名。

2コマ目[編集]

ギャル「チョーヤンバルクイナ」[編集]

久米田先生なりに考えてみたギャル語。 ちなみに、ヤンバルクイナは沖縄本島北部に生息する日本固有種の鳥。
1981年に新種として発見され、その翌年に国の天然記念物に指定された。
環境省のレッドデータブックで絶滅危惧IA類に分類されており、人間による環境破壊や交通事故、ハブやネズミ対策[4]で導入されたマングースによる捕食被害などへの対策が急務となっている。

3コマ目[編集]

ギャル「アタシら汚ギャルだから入ってねーす」[編集]

汚ギャルは何日も風呂に入らず、服どころか下着まで履き替えないでいる不潔なギャルのこと。
今回登場しているギャルたちが七夕のために浴衣に着替えたのなら、汚ギャルにしてはまだ良いほうなのかもしれない。

P90[編集]

1コマ目[編集]

洗体仮面「風呂に入らず浴衣を着るとは 不届き千万!!」[編集]

浴衣は湯浴み着の「&ruby(ゆかたびら){湯帷子};」が原型とされ、「ゆかた」という名称も「ゆかたびら」の略称が由来となっている。

P91[編集]

4コマ目[編集]

木胡桃七夕って浴衣着る大義名分だよね」[編集]

日本ゆかた連合会は、7月7日を「ゆかたの日」に制定している。
これは現在の七夕で浴衣が着られることが多いのに加え、七夕の由来の一つである古代中国の「乞巧奠[5]」にて、手芸・裁縫といった針仕事の上達を織姫星に願う風習があったことが制定の由来となっている。また、古代日本でも「たなばた」は古くは「棚機」と書かれ、&ruby(うらぼんえ){盂蘭盆会};(お盆)で帰って来る先祖に着せる衣を機織りするという風習があり、服飾と関係の深い行事となっている。

P92[編集]

P93[編集]

1コマ目[編集]

苦来「着物と浴衣は違うでしょ」
木胡桃「でも同じ和装だもの新鮮味ないわ!」
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「着物と浴衣は違う」と言っているが、厳密には浴衣は和服(着物)の一種。
浴衣は湯上がりの際に肌の上に直に着るもので、夏場には夕方以降の外出時にも着用できる気軽さが特徴。
対して浴衣以外の和服全般(留袖、振袖、訪問着、付下げ、小紋など)は長襦袢を下に着用する。

2コマ目[編集]

手寅「浴衣は生地薄いから それなりに色っぽいのでは?」[編集]

浴衣の素材では麻の配合が多いものが透けやすい。また、夏の着物では「紗」や「絽」などの薄く透かして通気性を高めた織物が用いられており、高級浴衣[6]として「綿絽」を用いたものもある。
透けている生地の場合は素肌の上にそのまま着るのではなく、下に肌襦袢や着物スリップなどを合わせるのが一般的。

4コマ目[編集]

丸京「熱海のシースルーコンパニオンかよ!」[編集]

熱海コンパニオン温泉「離れの・・・・・宿 ほのか」で提供されているサービス。
熱海以外にも、ピンクコンパニオンやスーパーコンパニオンなどの名称で同様のサービスを行なっている温泉宿もある。

なお、シースルーコンパニオンが着ているのは浴衣ではなく襦袢である。

P94[編集]

3コマ目[編集]

手寅「洋装の浴衣といえば バスローブでしょ!」[編集]

バスローブは湯上り後に着用するものだが、バスローブは体に付着したままの水分や汗を拭き取るために着るものであり、発汗が収まったらパジャマ等に着替えることになる。
そのため、5人のように来たまま外出しようとするのには適さないものである。

P95[編集]

P96[編集]

1コマ目[編集]

短冊「I am a boy. B,Mari[編集]

魔梨威女装男子疑惑から。

5コマ目[編集]

魔梨威「天の川はミルキーウェイって言うんだぞ ミルキーウェイ」[編集]

次コマで苦来は牛乳を思い浮かべているが、「ミルキーウェイ」が意味する「ミルク」は母乳のこと。

これはギリシャ神話のエピソードが由来。
女神ヘラの母乳を飲んだ赤子は不死になる力があったため、夫のゼウスが不倫して生まれたヘラクレスに不死性を与えようとしてヘラが寝ている隙に乳房を吸わさせたが、吸う力が強すぎたためにヘラの目が覚めてしまいヘラクレスを突き飛ばした。この時に飛び散った母乳が「天の川」になったというもの。

6,7コマ目[編集]

苦来「牛乳の道 ネロとパトラッシュが牛乳を運んだ道しか思い浮かばない」
背景の少年と犬
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フランダースの犬』より。
ネロは祖父ジェハン[7]のミルクを運ぶ仕事を手伝っており、アントワープの郊外から街へとミルクを運ぶ荷車はパトラッシュが牽いている。ちなみにOP主題歌『よあけのみち』でも歌われている。
背景のネロとパトラッシュは、世界名作劇場シリーズでの『フランダースの犬』のキャラクターデザインに似せている。

P97[編集]

6,7コマ目[編集]

魔梨威「風呂は毎日入ってるって言ってんだろ!」
洗体仮面「風呂ではない バスだ」
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欧米では水を貴重とする感覚が日本よりも強く、また温泉などの所在も比較的少なく、裕福な所帯でないと毎日は入浴しない習慣の場合がほとんどなため、入浴と関連した行為に楽しみを求める文化が日本ほど普及していない背景もある[8]。ゆえに日本人留学生が寮やホームステイなどの滞在先で入浴が毎日できないことにカルチャーショックを受け、西洋人は日本旅行の際には銭湯に興味を持つことが少なくないという。
古くは哲学者・和辻哲郎が著書『古寺巡礼』にて西洋人と東洋人(特に日本人)の風呂における認識の違いを考察した言が有名。(青空文庫⇒★>http 四章冒頭)

西洋の風呂は事務的で、日本の風呂は享楽的だ。
西洋風呂はただ体のあかを洗い落とす設備に過ぎないので、言わば便所と同様の意味のものであるが、
日本の風呂は湯の肌ざわりや熱さの具合や湯のあとのさわやかな心持ちや、あるいは陶然とした気分などを味わう場所である。
だから西洋の風呂場と便所とはいっしょであるが、日本人はそれがどんなに清潔にしてあっても、
やはり清潔だけではおさまらない美感の要求から、それを妥当と感じない。
この区別が興味をそそって、とりとめもなく文化史的な考察に入り込ませる。

P98[編集]

2~4コマ目[編集]

魔梨威「風呂とバス何が違うっていうんだよ!?」
洗体仮面「明確に違う これだ 猫足が付いていなければ バスとは言えない!」
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獣の足を模ったような優美な湾曲を描いた家具調デザインのことで、「カブリオールレッグ(Cabriole leg)」ともいう。
家具に施された脚の湾曲は中国などのアジア圏で見られた家具の特徴だったが、オランダのアジア貿易を経て西洋へと伝わり18世紀に流行した。特にイギリスのアン女王(1665~1714)の時代に流行したクイーン・アン様式、フランスのルイ15世(1715~1774)の時代に流行したロココ様式において顕著に見られる。
テーブルや椅子などに限らずバスタブにも猫足の装飾が施されたものでは、マリー・アントワネット(1755~1793)[9]が宮殿に持ち込んだものが元祖とする説があるが、バスタブは現存していない[10]
現在のバスタブでも足付きの製品は出回っているが、足の四点に荷重が集中するため、設置の際には床の強度も考慮する必要がある。

7コマ目[編集]

魔梨威タモリ式入浴法でお風呂入ったから!」
タモリ式入浴法とは…
石けんやボディーソープで体を洗わず、湯舟に10分以上つかるだけ。
湯舟につかることで大半の老廃物が自然に落ち、お肌がツヤツヤになるそうです。
(※効果には個人差があります)
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タモリが『笑っていいとも!』で話したことから次第に口コミで話題になった入浴法。
これを聞いた福山雅治も実践するようになったという。
他にもアンチエイジングに関しての著書が多く、健康番組のコメンテーターなども務める南雲吉則医師も同様の入浴法を推奨している。
皮膚の個人差にもよるが、皮膚を保護する効果もある垢や皮脂を洗浄剤で過度に洗い落としてしまうことで逆に肌が荒れ、代謝過剰で老化を早める原因になってしまうと指摘する向きもある。ゆえに肌の弱い人には有効との声がある。

「効果には個人差があります」は通信販売においてよく見られる表現。同様のものに「個人の感想です」などがある。
これは健康関連の商品[11]は効能・効果を全面に打ち出して宣伝することが薬事法に抵触するおそれがあるため。なお、広告内において効果に個人差がある旨を表示する必要性については、薬事法の規制はないという東京都福祉保健局薬事監視課の見解が日本広告審査機構(JARO)を通じて示されている。(⇒★>http
また、効果が出なかった場合に備えて販売側が消費者側に先に提示しておくミランダ警告ないしはダメ大岡裁きという側面もあり、ダイエットグッズなどは、装着するだけ飲むだけで痩せると喧伝するくせに「適度な運動と食事制限も行なっています」という、最早それが答だろと思えるテロップが入る例が多い。

P99[編集]

1,2コマ目[編集]

魔梨威「だってタモリ氏は 日本一 バスローブが似合う男 ベストバスロビニストだろ!」[編集]

バスローブを着こなせる日本人については、『かってに改蔵第57話では「筑紫哲也くらいなもの」、『さよなら絶望先生142話では「鹿賀丈史だけ」としていました。

3コマ目[編集]

タモリ「髪切った?」[編集]

笑っていいとも!』にてタモリがテレフォンショッキングのゲストに聞く頻度が多い質問。
タモリのモノマネを得意としているコージー冨田が決めギャグとして用いていた。

P100[編集]

4コマ目[編集]

洗体仮面「これが本当のネコバス!」[編集]

本物のが足になったバスタブと、スタジオジブリ制作のアニメ映画『となりのトトロ』に登場するネコバスをかけている。
ネコバスは胴体がバス車両のような形になっている巨大なネコのもののけで、トトロと並ぶ人気キャラである。

なお、バスのスペルは入浴を意味する単語は「Bath」、乗り物を意味する単語は「Bus」となる。

5コマ目[編集]

ネコバスの想像図[編集]

となりのトトロ』に登場するネコバスは、暗闇や夜になると両目がヘッドライトとなって前方を照らして走行する。おそらく網膜から発光してるわけではなく、水晶体が発光していると思われるが光は無指向性であるので当然網膜にも直接光が届くので眩しくて物は見えないと思われる。それを避けるためには網膜上に遮蔽物か鏡を置く必要があるが、そうすると今度は何も見えないので昔はやったミラーサングラスの様な機能を網膜が持つ必要がある。のんびりとしているようで偉くハイテク装備な猫バスさんであったようだ。

6コマ目[編集]

苦来マリーさん最近いろんな動物の上に乗るね」[編集]

四十五日目の展開より。

欄外(雑誌掲載時のみ)[編集]

協議の結果、彼の名は“洗体仮面”になりました。[編集]

変態仮面の捩り。
変態仮面については四十日目参照。

P903 楽屋雀の巣 じょしらく通信 ファンページ(雑誌掲載時のみ)[編集]

アシスタント募集[編集]

久米田先生のアシスタント募集掲載。
ちなみに、今号発売日前日の時点で応募ゼロとのこと。(⇒★>https

義務?[編集]

今話の覆面落語家[編集]

かゆいところ[編集]

P96の2コマ目[編集]

木胡桃「私 英語苦手だから願えない!」
丸京「お前留学してたんじゃねーのかよ?」
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特別編2にて手寅に海外留学していたことを指摘されているが、英語は苦手の模様。
英語圏以外の場所へ留学していた可能性も無きにしもあらずだが、初代中の人がアメリカへ留学するとして某グループを卒業したものの、留学を考えたけどもう一度ステージに立ちたい(⇒★>http)と芸能活動を再開させたネタをさらに強化しているものと思われる。

巻末コメント[編集]

ヤス先生の巻末コメント[編集]

暑いです。

と簡潔な一言だけになっているが、これは考える余裕が無かったとのこと。(⇒★>https

諫山先生の巻末コメント[編集]

前回のテーマからの触発によるものかは定かでないが、『進撃の巨人』を描く諫山創先生が意味深なコメントをしている。

最近は、この物語をしっかり終わらせなければ、という責任を強く感じます。

四十七日目/風呂好きな男~
四十六日目/文書入れ四十八日目/カテゴリー万歳
  1. 姦通罪が有効だった時代のため内容が不謹慎とされた。
  2. ただしインフレは止まらず、1985年にもデノミを行うが焼け石に水でハイパーインフレに発展。そのため1992年のデノミでドルペッグ制を採用しインフレの抑制に成功する。しかしドルペッグ制により近隣諸国との経済競争で不利となり、2000年代に変動相場制へ移行した。この間、デノミの度に通貨単位の呼称が「ペソ・レイ」「ペソ・アルヘンティーノ」「アウストラル」と変わり、現在では「ペソ・コンバーチブル」となっているが、基本的にはアルゼンチンのペソという意味合いで「アルゼンチン・ペソ(ペソ・アルヘンティーノ)」と通称されている。
  3. 持ち込まれた年代については諸説あり、鎌倉時代ともいわれる。
  4. 沖縄の観光でハブ対マングースのショーが有名なため一般的にはハブ駆除のイメージがあるが、実際には農作物を荒らすネズミ駆除が主な理由。
  5. 読みは幾つかあり、「きっこうでん」「きこうでん」「きぎょうでん」などが国語辞書に掲載されている。
  6. 一般的な浴衣とは異なり、半衿を着けることで通常の外出着にも転用できる。ただし、あくまで浴衣の範疇なのであらたまった訪問着などには適さない。
  7. 表記は「Jehan」。英語で執筆された原作小説に準じ、邦訳やアニメ版では英語読みの「ジェハン」となっている(「フランダース」「アントワープ」なども同様に英語読み)。ちなみに、舞台となったフランデレン地域の都市アントウェルペンでは「イェハン」や「イェーハン」と発音される。
  8. 漫画『テルマエ・ロマエ』のように古代ローマの時代には温泉がある地の利もあって入浴文化が盛んだったが、ローマ帝国が衰退・滅亡した中世以降はキリスト教の禁欲的思想からローマ的文化は贅沢な悪習とみなされ、欧州の入浴文化は廃れていった。
  9. 18世紀末はロココの曲線美から脱却して直線を主体的に取り入れたルイ16世様式へと変化し、後の新古典主義へと繋がる黎明期となった時代。しかし、マリー・アントワネット自身は旧来のロココ様式をこよなく愛し、「ロココの女王」とまで呼ばれている。
  10. オーストリア出身のマリーが入浴して清潔を保つ生活習慣を維持していた一方で、嫁ぎ先のフランスは入浴すると体調を悪くするという迷信もあり、ほとんど入浴習慣がなかったという。不潔さに嫌気が差したのか、マリーはルイ16世に嫁いだ後もヴェルサイユ宮殿より専用離宮のプティ・トリアノンに居ることが多かった。
  11. 薬事法により効能・効果を謳っていいものは医薬品と医薬部外品だけのため。