携帯電話
携帯電話(けいたいでんわ)[編集]
移動しながらの通話が可能な電話サービスのこと。電話以外にもさまざまなサービスが続々と統合されており、もはや携帯電話を持ってないと日常生活に不便を感じるほどになっていて、現代文明を象徴する商品であるといえる。
概要[編集]
歴史[編集]
1979年、日本において世界で初めて自動車電話サービス事業として実用化、その後NTTにより1987年に最初のハンディタイプ携帯電話機が発売された。しかし当時はまだ高価な商品で、ユーザーは企業の経営者などに限られていた。
1994年頃から端末や回線使用料が安くなったため、徐々に普及していった。また、この時期に、簡易型携帯音声通信サービス「PHS」[1]が始まり、通話料の安さやDDIポケット社の文字サービス「Pメール」がヒットしたこと等で若年層を中心に、ポケットベルに代わるコミュニケーションツールとして「ピッチ」の愛称で普及していった。当初は携帯電話との相互通話が不可能という制限があったことや、携帯電話各社の値下げなどにより、逆に1999年頃にはPHSが衰退し携帯電話の普及に弾みがつく結果となった。
2001年からNTTドコモが自社開発の第三世代携帯電話であるW-CDMA方式「FOMA」のサービスを開始、au(KDDI)も2002年に「CDMA 1X」のサービスを開始、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)も同年末にW-CDMA方式の「ボーダフォングローバルスタンダード(現SOFTBANK 3G)」を開始して次世代通信に追随。第三世代では高速データ通信と内蔵カメラによる写真メールやテレビ電話などの機能を搭載するなど多機能化が進んだ。2003年10月にはauの「CDMA 1X WIN」向けにパケット定額サービスの「EZフラット(現ダブル定額)」がスタート、NTTドコモも2004年6月に「パケ・ホーダイ」が開始されると第三世代携帯が急速に普及し、携帯電話が若年層のみならず前世代において重要なコミュニケーションツールとして浸透していった。携帯電話依存症が社会問題化したのもこの頃から。以降も、生活に必要とされるさまざまな機能を次々と統合した総合コミュニケーションツールとして発展(「端末」の項目にて後述)してきた。
2008年夏、前年より米国で好評を博してきたアップル社製iPhone」が、第三世代携帯電話に対応の「iPhone 3G」が日本でもソフトバンクモバイルから発売された。iPhoneは従来のスマートフォンとは一線を画し、日本の高機能携帯電話に範をとった仕様となっており、日本のスマートフォン市場拡大の火付け役となった。日本ではソフトバンクモバイルがiPhoneの独占販売権を得た[2]ことから、日本国内のNTTドコモとauからはAndroid搭載スマートフォンが発売されている。
2010年代に入り、spモードなどスマートフォンでのプッシュ型のキャリアメール対応や、FeliCa/おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線、緊急地震速報といった従来の携帯電話、いわゆるガラケーの要素を取り入れたスマートフォンが日本のメーカーから次々とリリースされ、2011年上半期には携帯電話新規販売台数の約半数がスマートフォンとなるなど、携帯電話の主力はスマートフォンへ移行していく傾向にある。
端末[編集]
日本の携帯電話端末は、世界的にみて極めて独自の進化?を遂げている。そのためこれら日本型の高機能携帯電話は「ガラパゴスケータイ」、略して「ガラケー」と呼ばれることも。どんなものでも小型化したがる日本人の思想であろうか、登場初期には小型化・軽量化に主眼が置かれていたが、現在では、カメラ機能のほか、インターネット閲覧(フルブラウザ機能)、おサイフケータイ、防水、太陽光充電、ワンセグといった付加機能を持った製品が次々と登場している。
一方で、スマートフォンは基本設計が電話付きの超小型PCであり、従来の携帯電話とは似て非なるものであった。したがって日本では2009年頃までは、iモードやEZweb、Yahoo!ケータイなどの各キャリアが提供している携帯電話向けのWebサービスに非対応であったりした。しかし2010年の後半からは、上述のように日本型の高機能携帯電話の要素を取り入れたスマートフォンが発表されたり、操作性の向上を目的としてガラパゴスケータイのような形状をしたスマートフォンが登場しするなど、スマートフォンと日本型携帯電話の機能は融合しつつある。一方で、多くの通信帯域を利用するスマートフォンの急速な普及により、携帯電話の電波不足が問題となってきている。
ケータイ小説[編集]
携帯電話により書かれ携帯電話で読む小説として、横書き文章を特徴とする「ケータイ小説」というジャンルが登場し、社会現象となった。
ケータイ小説の嚆矢は、1990年代後半のインターネットの急速な普及期に、アマチュアの作家が自身の執筆した作品をWeb上で公開していたオンライン小説というジャンルであり、これが21世紀になり携帯端末が普及したことから、徐々に執筆と発表の場が携帯電話に移行したものである。ケータイ小説の始祖ともいえるのがYoshiが個人サイト上で連載していた『Deep Love』であり、これが出版・シリーズ化されベストセラーとなった2002年から2005年頃までにケータイ小説ブームが起き、ケータイ小説としてのヒット作品が続々書籍化された。
作家の瀬戸内寂聴は、ケータイ小説は日本の文学を悪くすると言われるが読まれているには理由があるとその存在を好意的に評価し、小説家の平野啓一郎は、この文体だからこそ成功したコミュニケーション空間が今の社会には存在するという事実は誰にも否定できないと論じるなど、2000年代独自の文芸文化として肯定的に評価する面もあったようだ。
しかし読者層が本を読まない人達のため、ほとんどの内容が「悲劇的な出来事が矢継ぎ早
に主人公の少女に襲い掛かり、大恋愛の末に苦難が待ち受ける」といったおきまりの展開のものがほとんどで、書評はおおむね「泣ける」といったもの。本を読みなれている人には取り立てるほどのものでもないとして、評判が悪い傾向にある。これをエッセイストの本田透は、ケータイ小説でしばしば題材として描かれるテーマを売春・援助交際、レイプ、妊娠、薬物、不治の病、自殺、真実の愛の7つに分類し、ケータイ小説七つの大罪と分析した。また、久米田作品でもケータイ小説については否定的な扱いが多い。
久米田康治との関連[編集]
かってに改蔵 作品内にて[編集]
さよなら絶望先生 作品内にて[編集]
音無芽留の必須アイテムである。
キャラクターのファッションセンスに定評のある久米田作品らしく、 さまざまな機種が作品のあちらこちらに登場している。
富士通製NTTドコモ端末「デジタル・ムーバF501i」。学校から支給されたもの(210話)。
京セラ製au端末「au W31K」(8話) 。
たびたび機種変更をしている。
- NEC製NTTドコモ端末「FOMA N901iC」。
7話で登場。このときのメールアドレスはhazukashigariyasan@dacamo.ne.jpであった。
- 三菱電機製NTTドコモ端末「D701i」。
13話単行本追加ページ。
- 日立製au端末「au PENCK」。
17話。
- 京セラ製au端末「au W43K」。
作品内ではカメラとライトの位置が上下逆に描かれている(76話)。
- ソニー・エリクソン製au端末「au W51S」。
85話。
- 日立製au端末「beskey」。
さよなら絶望先生第二二集表紙(左手)。
- サンヨー製au端末「SA002」。
さよなら絶望先生第二二集表紙(右手)。
- カシオ製au端末「EXILIMケータイ CA005」。
さよなら絶望先生第二二集カバー下。
第二二集の3機種はauの2010年夏モデル。
- アップル製Cingular端末「iPhone(初代)」。
261話。
なお本来ならばこの携帯はGSM専用のため日本では使えない。
- 富士通製au端末「F001」。
297話。
そのほか、携帯電話の使用説明書として本棚に「DoCaMo? SO, F, D, SH, P, N」が、また音無芽留の右手にN902i、左手にN901iCの説明書(31話)。
機種不明だが、NTTドコモキャリアのようだ。メールアドレスはwatashiga-waruindesu@docamo.ne.jpで、電話番号は「090-5100-XXXX」(210話)。
- 音無芽留の父
東芝製au端末「REGZA Phone T004」(231話)。