第68話『とらうま江戸っ子村』

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かってに改蔵各話リスト

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第68話『とらうま江戸っ子村』[編集]

日光江戸村からだろうか。

作品情報[編集]

1999年月日発売、週刊少年サンデー43号に掲載。6巻11話


P165[編集]

扉絵[編集]

半纏を羽織る若衆姿の勝改蔵。
背景は葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。

扉絵内の文(あおり文)[編集]

粋で、いなせな改蔵兄ィのおでましでぇい!![編集]

「粋=いき」は江戸っ子の美意識。洒落心を持ちつつも、気取らずさっぱりとした振る舞いのこと。「粋=すい」とよむと関西の美意識となる。
「いなせ」は江戸時代の魚河岸で働く若者たちの間で流行った髷の結い方から。鯔の背びれに形が似ていることから鯔の背=いなせとなった。

久米田康治でぇい!![編集]

P166[編集]

欄外(雑誌掲載時のみ)[編集]

寝ぐせの改蔵… 朝っぱらから何やってんだっっ!?[編集]

1コマ目[編集]

ダーツの的「ビューティフォー・バータフラーイ」[編集]

1999年6月に発表された槇原敬之のシングル「Hungry Spider」の歌詞からと思われる。
演奏にアコーディオンを使用したノスタルジックで幻想的な雰囲気の曲と、見ようによってはやや自虐的にも見えるミュージック・ビデオが特徴。

ダーツの的「絶望」[編集]

第61話『廃線から愛をこめて』で登場した遊び。

的「ハング* スパ*」[編集]

P169[編集]

1コマ目[編集]

勝改蔵「江戸っ子は80℃くらいの猛烈に熱い湯が好きなのです!」[編集]

古くから江戸っ子は熱い湯好きと言われ、熱い湯にやせ我慢して平然と浸かっているのが粋とされる。
起源は明確ではないが、これは当時の殆どの人が銭湯で入浴していた時代、長風呂させずに客の回転を早めるために銭湯側がやや熱めにしたという説、せっかちな江戸っ子は元々風呂も早く済ませていたとする説、熱い湯で体温を上げることで免疫を活性化させる湯治効能[1]を出すためとする説などがある。
なお、60度なら10秒、70度以上なら1秒でやけどするので注意。

3コマ目[編集]

ボイラー室の扉[編集]

蒸気機関車の石炭釜の扉になっている。

P170[編集]

6コマ目[編集]

電柱「ローンの相談口 金丸金利」[編集]

P171[編集]

2~3コマ目[編集]

勝改蔵「江戸っ子なので朝寝朝湯が大好きさ‥‥‥なのです。」
彩園すず「それは小原庄助さんでしょ。会津っ子だし…」
[編集]

民謡の『会津磐梯山』より。
3番から4番の間のお囃子で、「♪小原庄助さん なんで身上(しんしょう)つぶした 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで それで身上つぶした ハァもっともだ もっともだ」とあり、これが戦前に発売されたレコード版でヒットしたことから広く一般普及した[2]
これは歌詞の1番から2番にある「♪会津磐梯山は宝の山よ (中略) 東山からひにちの便り」に対したもので、米どころの豊穣な土地で東山温泉のある会津(おそらく温泉宿)は小原庄助が酒と温泉に入りびたりになるほど良いところであるという意味である。

5コマ目[編集]

名取羽美「なにが江戸っ子よ、とらうま生まれのとらうま育ちのくせに、きっすいのとらうまっ子じゃない。」[編集]

第63話『帰省人来襲!!』で改蔵自らそう述べている。
『東京23区』>『江戸』であり、江戸とは、江戸城から半径5キロメートル~10キロメートルぐらいの範囲を指していた[3]。とらうま町は当時『武蔵野』と呼ばれていた地域であり、江戸に含まれた事は一度として無い。

P172[編集]

1コマ目[編集]

名取羽美「江戸っ子っていうのは、芝で生まれて神田で育った人のみを言うのよ!」[編集]

古くから言い伝えられてきた江戸っ子の理想的生い立ち。
起源は明確でないが、当時の江戸において神田は皆が憧れた中心街、芝は東海道の起点である日本橋と宿場町の品川の間にある海岸地域で、明るく活気ある街だったという。

2コマ目[編集]

勝改蔵「宮城じゃないところにも伊達男はいるだろうに!」[編集]

そもそも、伊達政宗等が『伊達男』とささやかれるようになったのは、伊達政宗が山形県南部の米沢城を居城としていた時である。この頃は陸奥出羽のうち13郡(山形南部と宮城南部)を治めていた。[4]
「伊達男」と呼ばれるようになった上洛(大崎一揆煽動への弁明のため)後に、仕置として宮城の岩出山城に移転の上減封された。なお、「伊達者」と持て囃されるようになった朝鮮出兵時は、この岩出山城を居城としていた頃である。
ちなみに、現在の仙台に城を構えたのは、関ヶ原の戦いの功賞として仙台開府が認められて以降となる。

P173[編集]

3コマ目[編集]

名取羽美「や‥‥‥やめてよ!そんな死語っぽい呼び方!」[編集]

「ナウい」が流行ったのは1970年代後半~1980年代。

P174[編集]

1コマ目[編集]

勝改蔵「地黒女は江戸の誇りっていうじゃないですか。」[編集]

起源ははっきりしないが、江戸独特の言い伝え。なぜか他の地方では全く無いようである。
江戸時代の人々は男女とも一般的に日焼けを好まない風潮であり、武士がよくかぶっている編笠は日焼け対策でもあった。
また、当時の江戸で美容情報誌的な存在だった『容顔美艶考(ようがんびえんこう)』には、日焼け後の肌の手入れの方法として「唐の土[5]を乳で溶き、顔へ塗り、休みの翌朝、よく洗い落とすと、四、五日ほどで元通りになる」と紹介されており、当時の対策意識が伺える。
そうした傾向の一方で、地肌が黒めであることへの賛美には日焼けに強い肌への憧れ、または女性の活発さを美徳とする風潮もあったと推測できる。

P175[編集]

4コマ目[編集]

勝改蔵「しいて言えば、江戸っ子に対抗できるのは、チェキッ娘くらいなものですよ!」[編集]

1998年にフジテレビのプロデュースのもとデビューしたアイドルグループ。
あえて全国区での売り出しをせず、関東ローカルの番組出演に絞って興味を引きつけることで、口コミでの人気を狙う意図であったが、知名度が上がらず[6]
江戸っ子の「チャキチャキした~」の表現にもかけているとも思われる。

P176[編集]

1コマ目[編集]

坪内地丹「ジュテ~~~ム!」[編集]

フランス語で「愛してる」という意味。

坪内地丹の服装[編集]

ボーダー柄シャツにベレー帽はフランス人のベタなイメージ。
英国のコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』でも同じスタイルでネタにされており、国際的に普及しているようだ。

4コマ目[編集]

坪内地丹「モンマルトルの丘で産湯をつかい、」[編集]

邦画『男はつらいよ』の車寅次郎の名乗り口上「帝釈天で産湯をつかい」から。
モンマルトルの丘はパリ市内の高台地域で、観光地にもなっている。

P177[編集]

4コマ目[編集]

坪内地丹「みなさんにクロワッサンを投げつけるかも知れませんよ。」[編集]

フランス発祥のパン。バターを多く混ぜた独特のパリパリした食感が特徴で、生地の生成に手間がかかるためかつては高級パンの代名詞であった。
フランス語ではcroissantと表記し、日本でもこの名で広まっているが、実はフランスで一般的に見かけるのは菱形のもので、日本でよく見かける三日月型のものは、フランスではスーパーマーケットなどで販売される安価品が多い。

P178[編集]

1コマ目[編集]

坪内地丹「ああ花の都パリ、」[編集]

フランスの首都・パリを表す言葉として有名。

坪内地丹「パリの恋人、」[編集]

1957年のアメリカ映画『パリの恋人』。パリが舞台のラブストーリー。 ちなみに原題は「Funny Face」、主演のフレッド・アステアはアメリカ人、オードリー・ヘプバーンはイギリス人。

坪内地丹「パリのメトロ、」[編集]

パリ市内の地下鉄はSUBWAYではなくMETROと呼ぶ。大都市を表すMETROPOLISが語源という。
画の車両はパリメトロ4号線と11号線で運用されているMP59系電車。

坪内地丹「パリの駅弁よ、」[編集]

画の「ノートルダムの大弁当」はパリ市内にあるノートルダム大聖堂[7]より。
しかし、弁当にはエッフェル塔と凱旋門だけで、大聖堂がない。
実際のノートルダム大聖堂は2つの塔が特徴的な建物で、真正面から見た場合の形だけでいうなら日本の東京都庁ビルに近い。

P180[編集]

コマ目[編集]

よい子のみんなは、朝仮死なぞというアホな行為をしないでください。…ってそんな奴いないって!![編集]


かゆいところ[編集]



コメント欄[編集]

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  1. 後年の研究でも、熱めの入浴でガン抑制細胞も活性化するという報告もある。
  2. 漫画版『サザエさん』でもネタになった話がある。
  3. 東海道の品川(品川区)、中山道の板橋(板橋区)、奥州街道・日光街道の千住(足立区・荒川区)、甲州街道の四谷新宿(新宿区)は江戸より外にある最初の宿場町だった。その後都市域の拡大により、1818年以降の朱引ではこれら最初の宿場町までが江戸の境界に位置する場所となる。
  4. なお、この直前に小田原城の戦い以後の奥州仕置として会津の黒川城から米沢城へと減封されて、所領だった会津を没収されている。
  5. 鉛白のことで、現在は絵の具の白色顔料になっている物質。
  6. この掲載の少し後の1999年11月に解散となった。
  7. 聖母マリアに献堂された大聖堂という意味で、「ノートルダム大聖堂」はフランス各地にある。