ゴルゴ13
ゴルゴ13(ゴルゴサーティーン)[編集]
さいとう・たかをによる漫画。
小学館の『ビッグコミック』にて1968年から連載中。
単行本はリイド社から201巻(2021年7月現在)まで刊行され、「もっとも発行巻数の多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されている[1]。
作品概要[編集]
個人から国家まで、あらゆるレベルからの依頼を受けて、標的を狙撃する一匹狼の超一流スナイパー、デューク東郷・通称“ゴルゴ13”の世界を股にかけた活躍と、それにまつわる様々な人物のドラマを描くシリーズ漫画。
実際の政治・経済・歴史・軍事・犯罪などの情報を巧みにストーリーに盛り込んでおり、そのリアリティあふれる描写に定評がある。
基本的に短中編の連作という形を取っており、単行本複数巻に跨がって展開するようなエピソードはない(ただし、過去のエピソードと関連して展開するエピソードはある)。ゴルゴ13が依頼を受けて標的を狙撃するという他には決まったフォーマットはなく、標的が人間でない(生物ですらない)場合も希にある。ゴルゴ13以外の人間の視点でストーリーが進行したり、ゴルゴ13自身が劇中にほとんど登場しなかったりするエピソードも珍しくない。
キャラクター[編集]
全編を通じたレギュラーキャラクターは、主人公であるゴルゴ13だけである[2]。
ゴルゴ13は、強靱な肉体を持ち、非常に寡黙かつ無表情で、用心深く、かつ攻撃的である。
他者に対して無防備な状態になることを極端に嫌い、握手を拒否したり、断りなく自分の背後に立とうとする人間を反射的に攻撃したり、自分に銃を向ける人間を躊躇なく一撃で射殺したりする。
その一方で、性的には非常に旺盛で、依頼の遂行途上で数多くの女性と肉体関係を持っている。
狙撃はもちろんのこと、各種格闘技やスポーツ、サバイバル術、語学などにも通暁しており、あらゆる局面において超人的な能力を発揮する。
時には重火器や車両も駆使して、たったひとりで武装集団を壊滅させてしまうこともある。
連載が進むほどにその超人ぶりはエスカレートしており、今や人間では決して対抗することのできないモンスターと化している。
依頼の報酬は1回につき20万ドル、全額前払いが原則である[3]。
一度受理した依頼は、依頼者自身が依頼を取り下げない限り、どのように状況が変化しようとも、依頼内容を完遂するまで絶対に中止しない。依頼の完遂率はほぼ100%であり、不測の事態により依頼の遂行が妨げられた場合でも、最終的には標的の狙撃(あるいは抹殺)に成功している。ゴルゴ13の標的になったら、アメリカ大統領でも助かることはできない、と言われる。
依頼者には誠実を要求する。もし依頼者が依頼の意図や標的の情報に関して隠蔽や虚偽の申告を行っていたことが発覚した場合、依頼は即刻破棄され遂行されない。また仮にそれがゴルゴ13を陥れようとするものだった場合には、依頼者自身がゴルゴ13の標的となり、報復として狙撃・殺害される。
ゴルゴ13が依頼を遂行する現場を目撃してしまった第三者は、原則としてその場で抹殺される。ただし、その時の状況や、目撃者の黙秘を条件に見逃されることもある。
自分に協力したり、自分を助けた人間に対しては特別の感謝を示し、無報酬で依頼を受けたり、その生命を保護したり、多額の金銭を与えたりなど、厚意を持って報いる。
不定期に肢体の自由がきかなくなるギラン・バレー症候群を患っており、これが唯一の弱点である。
こうした特異なキャラクター性は多くのフォロワーやエピゴーネン、パロディを生み出している[4]。
映像版[編集]
1973年と1977年に実写劇場版、1983年にアニメ劇場版、1998年にOVA、2008~2009年にテレビアニメ(テレビ東京系列)が製作されている。
2011年9月12日には、実写映画化を前提としてリイド社と米国のDavis Films社[5]との間で映画化権オプション契約を締結したことが報道された。
また、メディアミックスとは無関係にパソコン[6]、カーナビ、携帯電話[7]、レジャー用品[8]、食品[9]など、様々な商品のCMキャラクターに起用されることも多い。
スタッフ[編集]
題名 | 発表(初出)年 | 監督 | 主演 | 発表メディア |
---|---|---|---|---|
ゴルゴ13 | 1973 | 佐藤純弥 | 高倉健 | 劇場用映画(実写) |
ゴルゴ13 九龍の首 | 1977 | 野田幸男 | 千葉真一 | 劇場用映画(実写) |
ゴルゴ13 | 1983 | 出崎統 | 瑳川哲朗 | 劇場用映画(アニメ) |
ゴルゴ13 QUEEN BEE | 1998 | 出崎統 | 玄田哲章 | OVA |
ゴルゴ13 | 2008 | 大賀俊二 | 舘ひろし | テレビアニメ(全50話) |
久米田康治との関連[編集]
さよなら絶望先生 作品内にて[編集]
260話『角度ならないこともない』にて、依頼遂行中のゴルゴ13のような人を、見てはいけない角度から見てしまったために、望が頭部を一命はとりとめるような奇跡的な角度で撃ち抜かれている。
かってに改蔵 作品内にて[編集]
作中にて度々、本作をネタにしている。
- ↑ それまでは「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の全200巻が世界記録だった
- ↑ ただし、2008年のテレビアニメ版では、銃職人デイブがセミレギュラーとして扱われている。
- ↑ ただし、特殊な状況では大幅に違う額や無報酬でも依頼を受けることもある。テレビアニメ版では報酬が1回300万ドルになっている。
- ↑ 『装甲騎兵ボトムズ』、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『家政婦のミタ』、『SMAP×SMAP』など。
- ↑ 『バイオハザード』、『サイレントヒル』など、日本のコンテンツを数多く映画化した独立系制作会社の一つ。
- ↑ NEC「UltraLite」。余談だが、同CMでは登場人物たちから「東郷さん」と呼ばれている。
- ↑ NTTドコモ「LGジャパンモデル」。
- ↑ Daiwa「アストロン(釣り糸)」。
- ↑ 日本牛乳協会、ロッテ「ブラックブラックガム」など。