めぞん一刻
めぞん一刻[編集]
高橋留美子による漫画。「ビッグコミックスピリッツ」にて、1980年11月号(創刊号)から1987年19号まで連載された。全15巻。
作品概要[編集]
「時計坂」という町にある「一刻館」という名の古いアパートの住人・五代裕作と、管理人としてやって来た若い未亡人・音無響子を中心としたラブストーリーであり、人より苦労を背負い込んでしまう世渡り下手な青年・五代裕作と、生来の鈍感さと亡き夫への操ゆえの真面目さを合わせ持つ美人管理人・音無響子の織り成す恋愛模様が、常識はずれの面々が住むおんぼろアパート「一刻館」を舞台に、高橋独自のリズミカルでコミカルな展開で小気味良く描かれている。
1980年代のラブコメディー漫画の金字塔として名高い作品である。
人間ドラマとしての側面も強い為、アニメのみならず映画・TVドラマと複数回実写映像化されたタイトルでもある。
あらすじ[編集]
アニメ版[編集]
アニメーション製作はスタジオぴえろに代わり、後半の『うる星やつら』を手掛けていたスタジオディーンが続投。
『うる星』で一躍人気アニメーターとなった森山雄治によるキャラクターデザインは、その完成度の高さから評判も良かったが、番組が2クールを消化した時点で大幅なスタッフの刷新が図られ、それに伴い森山も降板した[1]ことで絵柄のタッチが劇的に変化する。不可解なスタッフの変更は様々な憶測を呼び、こうした状況に対するファンからの批判も招く事態となるが、以降は比較的堅実な作りで全96話という長丁場を乗り切った。
一方でヒロイン・音無響子の性格設定が、原作にあった負の部分[2]を削ぎ落とされ「理想の女性像」へと改変されてしまったことや、話の内容がモロバレでセンスの無いサブタイトル[3]、性描写をカットした事で逆に登場人物たちの細かな心の機微が損なわれてしまうなどの問題点も目立ち、上述のスタッフ交代騒動の影響もあって原作ファンからは必ずしも高い評価を得ていたとは言えない。
スタッフ[編集]
メインキャスト[編集]
~キャラクター | ~キャスト |
CENTER:音無響子 | 島本須美 |
CENTER:五代裕作 | 二又一成 |
CENTER:四谷さん 惣一郎(犬) |
千葉繁 |
CENTER:六本木朱美 | 三田ゆう子 |
CENTER:一の瀬花枝 | 青木和代 |
CENTER:一の瀬賢太郎 | 坂本千夏 |
CENTER:三鷹瞬 | 神谷明 |
CENTER:七尾こずえ | 富永み~な |
CENTER:八神いぶき | 渕崎ゆり子 |
CENTER:九条明日菜 | 鶴ひろみ |
CENTER:坂本 | 古川登志夫 |
CENTER:音無惣一郎 | 田中秀之 |
実写版[編集]
1986年に映画が公開。人物構成以外は完全なオリジナルストーリー。石原真理子(現:石原真理)・石黒賢主演。
「原作のイメージを尊重する」という主題の下にキャスティングが決定し、四谷役の伊武雅刀などハマリ役と評価されるものも有ったが、肝心のヒロインである音無響子へ当時から「プッツン女優」とイロモノ的に認識されていた石原真理子を据えたことは大いに疑問視され、バッシングの対象となった。
こういった批判に対し、監督の澤井信一郎は「病的に原作が好きなヤツは観なくて結構」と反論、これが更なる原作ファンからの反感を買うこととなり、興行成績的にも芳しくない結果に終わってしまった。
田中邦衛、大滝秀治、有島一郎と大御所が脇を固める或る意味、贅沢な映画ではある。
2007年・2008年にTVドラマが土曜ワイド劇場枠で放映。浪人編と完結編の全二回。
取り壊された一刻館跡地の公園で五代が娘の春香に想い出を語る、という形式。伊東美咲・中林大樹主演。
久米田康治との関連[編集]
かってに改蔵 作品内にて[編集]
作中にて度々、本作をネタにしている。
さよなら絶望先生 作品内にて[編集]
82話にて、「1/3の愛の言葉集」として音無響子の台詞が羅列ネタに含まれている。
Webラジオ「さよなら絶望放送」との関係[編集]
第90回の今週の標語とお別れの一言、第183回のお別れの一言でネタにされている。
第88回にて、めぞん一刻のゲームネタ(覗きシーン)が取り上げられ、杉田と神谷が熱く語っている。
第203回にて、神谷浩史が中学生時代に刷り込まれた理想の女性像として音無響子の名を挙げている。