八日目/ヤンキー怖い
八日目/ヤンキー怖い(やんきーこわい)[編集]
タイトルの元ネタは『饅頭恐い』。
「寿限無」や「目黒の秋刀魚」に並ぶ有名な噺。
男たちが自分の恐いものを言い合う中、強気な態度の男は「自分が恐いのは饅頭」と言う。
その男を懲らしめてやろうと饅頭をたくさん用意するが・・・・。
江戸落語では前座噺だが、上方(大阪)落語では序盤の恐いものを言い合う部分が大きく掘り下げられている特徴がある。
作品情報[編集]
2010年3月9日発売、別冊少年マガジン4月号に掲載。
P88(扉絵)[編集]
じょしひな。
P89[編集]
1コマ目[編集]
バイアスロンの絵を映しているテレビ[編集]
額にも見えるが、右肩に「DS1(BS1からか?)」と表示されていること、左肩のブランドロゴらしき反射から、大型の壁掛けテレビ(身長比でのサイズ(65v)・ロゴ配置から多分シャープのAQUOS)と分かる。
2コマ目[編集]
手寅「バイアスロンってイミわかんなくない? スキー+射撃って」[編集]
2010年のバンクーバー冬季オリンピックに因んで。
元来は日本よりも寒冷な欧州地域での狩猟及び雪中戦闘から転じて競技化したもの。このため競技者も軍や警察関係者が多く、日本では9割以上が陸上自衛隊員(主に冬季戦技教育隊)である。
欧州発なので向こうでは知名度の高い競技であり、夏季用にアレンジされたローラースキーバイアスロンや、ランニングバイアスロンなどの亜種競技もある。海外ゲームではPS2用ソフトで『BIATHLON 2008』も発売されたことがある(日本国籍のプレイヤー選択も可能)。
4コマ目[編集]
苦来「あれは射撃を外すと外しただけ走らされるんだよ」[編集]
個人戦では非命中弾一発につき1分のペナルティタイム加算、追い抜き戦やリレー等ではペナルティループ(150m)を一周する。
バイアスロンの射撃距離は夏季五輪で行われるライフル射撃と同じ50m。スキーはクロスカントリーなので起伏が大きく、体力が消耗しやすくなるようにコースが設計されている。精密射撃では射撃者自身の呼吸や心拍による身体の微細な動きさえも影響を及ぼす。特に射撃姿勢において重要な位置を占める肩のブレで照準が不安定になりやすくなる。FPSゲームでスナイパーライフルを使用すると、全く操作しなくても照準が微妙に揺れているのもリアリズムゆえである。
先述の通り狩猟や軍事行動が原点のため、運動して呼吸が荒くなり、心拍数が上がった状態[1]での射撃精度は競技者の能力を計るポイントになる。このため射撃時は呼吸をほぼ止めておく場合が殆どで、手早く行わなくてはならない。ちなみにゲーム『BIATHLON 2008』でも無呼吸射撃にかける時間が長いと体力を大きく消費してしまう。
P90[編集]
5~6コマ目[編集]
魔梨威「だ・・・誰だい!? しまい忘れたのは!」
手寅、木胡桃、苦来、丸京「嫁にいきおくれる。」[編集]
ひな人形の起源は子供の死亡率が高かった時代に遡り、本来娘の厄除けの為に飾るものである。
そこから派生したかは定かでないが、雛祭りの後に人形を片付けないと婚期を逃すという俗習もある。
一説では、いつまでも出しているとだらしのない女と思われ、嫁の貰い手がなくなるからとも言われているらしいが、根拠はない。
今号の巻末コメントもそれに因んだ発言である。
P91[編集]
6コマ目[編集]
手寅「あっという間にいかず後家からいけず後家だよ!」[編集]
「後家」とは夫に先立たれ、再婚していない女性の古語。未婚女性にも使うことで更に嫌味さを増している。
ちなみに関西では「いけず=意地悪な人、憎たらしい人」の意味もある。ただし、同じ関西圏でも用いられる地域でニュアンスは異なり、ボケを好む大阪人の感覚では前述の「意地悪」な意味が強いが、ボケもツッコミも奥ゆかしさを好む京都人の感覚では「口や態度は悪いが、あえて直裁に言わず(京都人は褒める場合も直に言わない傾向にあり、直言で褒めている場合は嫌味が込められている場合もある)、逆に負の部分も肯定する言葉のひねりが利く人」であり、大阪の言い回しよりも若干奥ゆかしい肯定を含んでいるという。
P93[編集]
1マ目[編集]
木胡桃「オマエもイケズゴケにしてやろうか」[編集]
聖飢魔IIの代表曲『蝋人形の館』にて冒頭、ボーカルのデーモン小暮閣下が叫ぶ「お前も蝋人形にしてやろうか!」から。
P94[編集]
4コマ目[編集]
丸京「ヤンキーはもれなく早婚なんだよ」[編集]
こうした認識が大きく普及するきっかけになったのが漫画『ハイティーン・ブギ』(原作:後藤ゆきお 作画:牧野和子)。
真面目な主人公の宮下桃子に、暴走族リーダーの藤丸翔が交際を求めて波乱万丈の人生を歩む展開はヤンキーの数と行動が勢いを増してきた70年代~80年代の時勢と相まって人気を博し、横浜銀蝿が同じタイトルの曲を出したり、たのきんトリオ主演の映画が制作されたりした。
近年の作品でも嶽本野ばらの『下妻物語』で、主人公の竜ヶ崎桃子が、ヤンキーとは無縁なのに名前だけでヤンキーに間違われるというオマージュがある。
7コマ目[編集]
魔梨威「お隣のくーちゃん超不良で 15でお嫁にいったよ!」[編集]
実際には現行の婚姻における最低年齢は男子18歳以上、女子16歳以上。ちなみに十代の出来ちゃった結婚の離婚確率は八割である。
深読みすると、これも80年代のツッパリ文化華やかな頃にチェッカーズが歌って流行した『ギザギザハートの子守唄』の歌詞が作中で混同されているというネタかもしれない。
ちなみに十五で嫁に行ったのは童謡「赤とんぼ」のねえやである。
P95[編集]
5コマ目[編集]
貼り紙「内股禁止。」[編集]
七日目より。
P97[編集]
2コマ目[編集]
手寅「あの人たちってやたら難しい漢字使うよね」[編集]
起源は幕末から明治の文明開化期にかけて確立していった海外の国名、地名の当て字から。
当時はまだ外来語をカタカナ(表音文字)で書く習慣がなかったため、名詞として漢字を当てて表記する発想であった。
学制が浸透し、教育の国家制度化が進んだ大正~昭和初期ごろは不良少年少女たちも数が増え、モダニズム文化の影響で外来語を多く用いるようになる。主に「○○団」といった呼称や「ギャング」という表現が流行し、「モダンボーイ(モボ)」「モダンガール(モガ)」から転じ「バッドボーイ」「バッドガール」といった呼称もあったとか。
背景は異なるが、70年代~80年代のツッパリ文化隆盛期から発生した当て字の場合、表音文字としての仮名文字より、漢字特有の字面と表意性がより迫力を増すため(やくざ組織が漢字名なのも同じ理由かもしれない)。
これはアルファベット文化の西洋人にも通じるところがあるようで、漢字のヴィジュアル性に魅せられて刺青を入れたりする例がある他、英国ミュージシャンのデビッド・ボウイもステージ衣装に自らの漢字表記「出火吐暴威」と入れたこともあるほか(ボウイは親日家としても知られ、お忍びで度々来日していたという)[2]、サッカー選手のデビッド・ベッカムも左脇腹にに「生死有命富貴由天(中国の格言で、「生と死は運命が、富や名誉は神が決める」の意味)」とタトゥーを入れている。ちなみに外国人の間でも漢字は画数の多いほうが好まれるという。
P98[編集]
1コマ目[編集]
魔梨威「夜の校舎 窓ガラス 拭いて回るぞ」[編集]
尾崎豊の4thシングル『卒業』(1985年)の歌詞より。
夜の校舎 窓ガラス壊してまわった
本来は「壊してまわった」なので、これまた魔梨威の勘違いネタ。
当時、この歌のヒットの影響で、わざわざ歌詞の通りに実行した中高生がそれなりにいたという。
元ネタかどうかは定かでは無いが、お笑いコンビ「DonDokoDon」のボケ担当である山口智充が某高校の学園祭に呼ばれて一曲披露するコーナーで、この曲を歌う運びとなった時には、予め教師の前で歌った所「『壊してまわった』の部分が校内暴力の観点からも問題あるとして『磨いてまわった』に変更してくれ」と要請されたそうである。納得出来ないがクライアントの依頼だとその通りに歌ったそうであるが、その変更した歌詞の違和感に会場の生徒からざわめきが起こったという。
6コマ目[編集]
手寅「伝説って聖剣伝説2くらいすごい伝説?」[編集]
スクウェア(現スクウェア・エニックス)社製作のA・RPG『聖剣伝説2』から。
後にスクウェア黄金時代と呼ばれる、スクウェア全盛期の一角をなす名作。
バグも多かったが、それを補って余りあるゲーム内容は今なお高く評価されている。
苦来「銀河英雄伝説くらいじゃない?」[編集]
田中芳樹原作の長編SF小説『銀河英雄伝説』のこと。
銀河を二分した帝政の銀河帝国と民主共和制の自由惑星同盟との覇権をかけた攻防と、両陣営における清濁混在の群像劇を描く。
双方とも、丸京の言う通り「伝説」の名を冠するに相応しい偉大な名作と言える(残念ながら、その後が続いたとは言い難いのは事実であるが)。
P99[編集]
1コマ目[編集]
金マリーさんという元気な女装男子がいたそうな[編集]
童話「金太郎」より。
坂田金時の出生譚でもあるため、伝説と言えなくもない。
女装男子は七日目より。
3、4コマ目[編集]
苦来「じゃあこんなのはどう? バイト先で・・・」
魔梨威「悪い それは悪い ブログが炎上するレベル」[編集]
アルバイト先での軽犯罪、もしくはそれに近い不道徳行為をブログで武勇伝として披露し、炎上した例は多々ある。例としては『さよなら絶望先生』123話を参照。
P100[編集]
5コマ目[編集]
苦来「変わり雛みたい」[編集]
人形工房が公募したお題を参考に、世相を反映させて作った雛人形。
かゆいところ[編集]
サブタイトルの表記[編集]
前回同様漢数字表記ではなくなっている。
P693の6コマ目[編集]
信者のおばさんの貼り紙が、木胡桃がお茶をぶちまけたP92の1コマ目ではアフロヘアーに。
その後のP98の6コマ目では元に戻っている。