いきつけの熱海の旅館で友人の檀一雄と飲み明かし、持ち金を使い果たしてしまった太宰は師匠の井伏鱒二に金を借りに東京へ行ったまま音沙汰なしになり、旅館に置いてきぼりにされた檀が東京の井伏宅に行くと、借金の申し入れをできないまま井伏と将棋を指している太宰が「待つ身が辛いか、待たせる身が辛いかね?」と言ったという。 | いきつけの熱海の旅館で友人の檀一雄と飲み明かし、持ち金を使い果たしてしまった太宰は師匠の井伏鱒二に金を借りに東京へ行ったまま音沙汰なしになり、旅館に置いてきぼりにされた檀が東京の井伏宅に行くと、借金の申し入れをできないまま井伏と将棋を指している太宰が「待つ身が辛いか、待たせる身が辛いかね?」と言ったという。 |