ハヤテのごとく!
ハヤテのごとく![編集]
畑健二郎の漫画。読み切り版の時のタイトルは『ハヤテの如く』。
週刊少年サンデー2004年45号から2017年20号まで連載された。
2007年度(第53回)小学館漫画賞少年向け部門で最終候補作品まで残ったものの、惜しくも受賞は逃している(受賞作は『ダイヤのA』であった)。
連載開始から休載のない漫画として知られていたが、2012年5・6合併号の連載351話をもってアニメ第3作の構成原案(コミックス換算で約3冊分)に充てるために約2ヶ月間の短期集中休載を行い、同年13号から連載を再開した。
作品概要[編集]
主人公の職業から「執事コメディー」「執事ギャグ漫画」などと称されることが多い。学園ラブコメディーの体裁もとっているが、これは当初「執事漫画」が読者に受け入れられるか不明であり、読者への反応を良くするために行われた設定であるという。
またギャグ要素が非常に強く、伏せ字を用い他の事象(主にサブカル)を揶揄するブラックユーモア的手法(ガン○ムなど)がよく採られるのが特徴のひとつ。これは師匠である久米田康治の作風に顕著に影響を受けているといえよう。
また、毎回のサブタイトルのセンスは週刊少年ジャンプに掲載されている『銀魂』に近いものがある。
なお、2011年2月(連載306話、単行本27巻)よりロゴが微妙に新しいものに移行[1]した。一見見分けが付きにくいが英字の「Hayate the combat butler」の書体に変更が見られる。
・・・が、その後2012年5月(連載361話、単行本32巻)より完全に新ロゴに変更。この筆書きのような新ロゴの文字は畑先生の母・律子[2]によるもの。
あらすじ[編集]
普通の高校に通う平凡な高校生・綾崎ハヤテは、放蕩癖の両親を支えるために日夜バイト漬け。しかしそんなあるクリスマスイブのこと、両親はヤクザからの借金を全額ハヤテに押し付け姿を消してしまった!
かくしてその借金、約1億5000万円を背負い込むことになってしまったハヤテは、その借金を返すため公園にたまたまいた少女・三千院財閥令嬢の三千院ナギを誘拐しようと試みるも、恋の告白と勘違いされるような脅し文句をかけてしまったことで彼女に勘違いされる。
さらに、直後別の一団に誘拐されたナギをハヤテが救出したことによりナギの勘違いは暴走。ハヤテをそばに置きたいナギは「私の執事をやらないか?」とハヤテをスカウトする。
一目惚れされたナギから住み込み雇われ執事の職を得たハヤテは、直後に借金取りたちによって危機に陥るが、助けにきたナギに借金を全額肩代わりしてもらい、事なきを得る。
こうして、ナギを守るため、そしてナギに借金を返すため、借金執事綾崎ハヤテの新たな日々が幕を開けるのだった‥‥。
ネタに関する他方面への波及事例[編集]
『ハヤテのごとく!』の連載前に、読み切り『ハヤテの如く』がサンデーに掲載(2004年10号)された際に、登場人物のときメモファンドを絡ませた台詞が、「“ときメモファンド”が元本割れしたととられかねない表現である」としてコナミから厳重な抗議を受けた事があり、サンデー側が2004年14号で謝罪分を掲載する事態となった。更にこの一件がネット等で「久米田康治が扱ったネタ」という誤伝も起きた。
このため読み切り版の単行本収録が見送られていたが、コナミがアニメのスポンサーに付いたことなどから和解したようであり、2007年6月発売のガイドブックに該当部分を修正の上で収録された。
また、第1回『ハヤテのごとく!』人気投票(2007年第6号発表)において、久米田康治が14位を獲得・コメントが掲載された。なお、畑健二郎は21位だった。また、第2回の人気投票でも久米田康治は19位に入った。
海外版[編集]
- ・アメリカ
英語版の単行本が『Hayate the Combat Butler』のタイトルでVIZ Media(ヴィズ・メディア)社[3]から2006年11月より刊行。装丁デザインは一新されている。
- ・香港
天下出版が小学館から正式認可を受け、中国語版の単行本が『爆笑管家工作日誌』というタイトルで刊行されている。
- ・台湾
尖端出版社が小学館から正式認可を受け、繁体字中国語版の単行本が『旋風管家!』というタイトルで刊行されている。香港版と同じく装丁は日本版と同じ。
また、ジョージ・フー主演で実写ドラマ化がなされた。詳細は後述。
- ・シンガポール
『疾風守護者』のタイトルで創藝出版社から刊行されている。
- ・スペイン
『Hayate mayordomo de combate』のタイトルでGlénat(グレナ)社から刊行されている。
その他、韓国、タイ、ベトナムでも刊行されている。
アニメ版[編集]
週刊少年サンデーの発表によりアニメ化が決定。
2007年4月から2008年3月にかけて第1期がテレビ東京系列で放送(ちなみに後番組は『絶対可憐チルドレン』で、『絶チル』33話でハヤテとのコラボが実現している)。アニメーション制作はSynergySP。
2009年3月にOVA『ハヤテのごとく!! アツがナツいぜ 水着編!』発売。第2期放送に先駆けての発売で、アニメーション制作がJ.C.STAFFに変更された。
2009年4月から9月にかけて第2期『ハヤテのごとく!!』が同じテレビ東京系列で深夜枠に移して放送(放送日はネット局により異なり、最速はテレビ東京の4月3日放送開始)。
2011年8月27日に劇場版『ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH』公開。劇場版『魔法先生ネギま! ANIME FINAL』との同時上映。アニメーション制作はマングローブに変更された。
2012年10月から12月にテレビアニメ第3作[4]『ハヤテのごとく! CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU』がテレビ東京系列にて放送[5]。アニメーション制作は劇場版に引き続きマングローブが担当。
2013年4月よりアニメ第4作『ハヤテのごとく! Cuties』がテレビ東京系列とAT-Xにて放送された。
単行本41巻から3巻連続OVAが発売される。
アニメ第1期について[編集]
全日帯(日曜10時)という時間のためか露骨なパロディシーンや描写的に不適切な部分は規制がかかっている(言葉ではピー音や描写ではモザイク代わりの「自主規制君」など)。
しかしそれをネタ的に使用しているばかりか、きわどいサービスカット(お色気カット)や許される限りのパロディをふんだんに盛り込んでおり、その勢いは平日木曜に同局で放送されている『銀魂』をも凌ぐ。特に前述のサービスカットの多さから「エロさはほとんど深夜枠のノリ」と言う意味で別名「土曜深夜34時アニメ」と呼ばれている。
特に畑健二郎が原案を担当したオリジナルストーリーである第1期の10話は、パロディも前回までとは比べ物にならないほど盛り込まれ、かなり異質なエピソードになった。オリジナルエピソードのパロディの多さや異質なエピソードはアニメ版『銀魂』第50話を彷彿とさせた。
余談だがこの話は主人公・綾崎ハヤテを演じる白石涼子が喉の手術を行ったため、ハヤテの台詞が一切存在しない。
尚、原作よりぶっとんだキャラ設定や季節を無理やり現在の季節に合わせている(原作は連載から3年経ってもいまだ第1話の12月24日から4ヶ月程度しか進んでいない)ため、原作との相違についていけない原作ファンがいるのも事実である。
メインキャスト[編集]
~キャラクター | ~キャスト |
CENTER:綾崎ハヤテ | CENTER:白石涼子 |
CENTER:三千院ナギ | CENTER:釘宮理恵 |
CENTER:マリア | CENTER:田中理恵 |
CENTER:桂ヒナギク | CENTER:伊藤静 |
CENTER:桂雪路 | CENTER:生天目仁美 |
CENTER:愛沢咲夜 | CENTER:植田佳奈 |
CENTER:鷺ノ宮伊澄 | CENTER:松来未祐 |
CENTER:橘ワタル 暮里詩音[6] |
CENTER:井上麻里奈 |
CENTER:貴嶋サキ 大河内タイガ |
CENTER:中島沙樹 |
CENTER:西沢歩 | CENTER:高橋美佳子 |
CENTER:朝風理沙 | CENTER:浅野真澄 |
CENTER:瀬川泉 | CENTER:矢作紗友里 |
CENTER:花菱美希 西沢一樹 |
CENTER:中尾衣里 |
CENTER:牧村志織 東宮康太郎 オルムズト・ナジャ |
CENTER:佐藤利奈 |
CENTER:葛葉キリカ | CENTER:豊口めぐみ |
CENTER:冴木氷室 | CENTER:鳥海浩輔 |
CENTER:瀬川虎鉄 | CENTER:四宮豪 |
CENTER:野々原楓 | CENTER:小西克幸 |
CENTER:霞愛歌 | CENTER:加藤英美里 |
CENTER:天王州アテネ | CENTER:川澄綾子 |
CENTER:倉臼征史郎 | CENTER:三宅健太 |
CENTER:タマ | CENTER:小杉十郎太 |
CENTER:シラヌイ 日比野文 |
CENTER:阿澄佳奈 |
CENTER:姫神茜[7] | CENTER:岩田光央 |
CENTER:天の声 (ナレーション) |
CENTER:若本規夫 |
ゲストを含む久米田作品声優の出演は以下の通り。
- 後藤沙緒里(絶望:加賀愛役、じょしらく:暗落亭苦来役)がクラスメートの女子生徒や出店の売り子役、シャルナ・アーラムギル役(第2期)
- 阿澄佳奈(絶望:マリアの友人役、じょしらくドラマCD:蕪羅亭魔梨威役)が桜井P役(第1期)、日比野文役、シラヌイ役(両方とも第2期登場)
- 白石涼子(木津多祢役)が主人公・綾崎ハヤテ役
- 井上麻里奈(木津千里役)が橘ワタル役・暮里詩音役とゲストのナベシン執事のヨメ役
- 松来未祐(藤吉晴美役)が鷺ノ宮伊澄役
- 後藤邑子(小節あびる役)がゲストの魔王(マオウ・ザ・グレートステイジアン・オブ・阿部(仮)、阿部マオ)役
- 杉田智和(一旧役)がマリオネット役(CAN'T TAKE MY EYES OFF YOUに登場)
なお、井上麻里奈のブログによるとアフレコ現場はかなりアドリブが多い方針だという。
ドラマ版[編集]
台湾のTV局GTV(八大電視台)にて『旋風管家!』のタイトルで、2011年6月から9月まで放送。全13回。
人物相関は基本的に原作に準じるが、設定変更(キャラクターの名前[8]・性別[9]・年齢[10]の変更、舞台が大学へ変更など)がされ、ストーリーはオリジナルとなる。
また、日本でも「ハヤテのごとく!~&ruby(イケメン){美男};執事がお守りします~」の邦題で、スカパーで10月より放送開始。台湾版は90分13回のところを、日本版では60分20回構成で放送されている。
2012年4月より、BSジャパンにて毎週金曜17時に放送中。話数構成はスカパー版と同様。
久米田康治・さよなら絶望先生との関連[編集]
『さよなら絶望先生』作品内におけるハヤテのごとく!関連ネタ[編集]
作中で登場するサンデー表紙や広告に綾崎ハヤテ(第54話)、桂ヒナギク(第68話)、三千院ナギ(第120話)が顔を見せている。他にも随所で同作のネタが織り込まれており、紙ブログにも作者名パロディが登場している。113話においては、三周年を呪(“祝”ではない)っている(嘘の可能性あり)。
『ハヤテのごとく!』作品中におけるさよなら絶望先生関連ネタ[編集]
第6巻第11話(第63話)「そして伝説にならない」の表紙で「よろしく希望先生」なる漫画作品が見えている。さらに、第13巻第10話(第139話)「練馬と杉並の喫茶店とファミレスはまんが家と編集とアニメーターだらけ」では足橋剛治なる「漫画家」の手による「失望先生」なる作品が登場している(こちらはバトル漫画)。
第7巻第5話(第68話)「それはカードで買えない価値がある。プライスレス」では、久米田先生と前田くんが漫画賞の審査員として登場。前田くんはその後第209話にも登場し、「さよなら絶望先生」内でも出演していることが背景ネタで告知されていた。
第320話では登場キャラが「絶望した!」の台詞を使っていた。
アニメ版『ハヤテのごとく!』作品中におけるさよなら絶望先生関連ネタ[編集]
- 第1期第33話では風浦可符香と木津千里らしき女子生徒(ただし顔の部分は丸で囲んだ客のハンコらしきものだった)が登場しており、ハヤテが糸色望のコスプレをしていた。さらにハヤテは「絶望した!」とも言っており、次のカットには首吊りシーン(自主規制ありで足のみが見える)があり、それを見たナギが「先生。いや、師匠」と発言するパロディも。動画⇒[39~:http://v.youku.com/v_playlist/ch00f914311o9p32.html ★5]
- 第1期第41話のサブタイトルは「先生さよなら絶望」と明らかに意識したタイトルがつけられている。動画⇒[35~:http://v.youku.com/v_playlist/ch00f914311o9p40.html ★4]
- 第1期第44話では、音無芽留らしき声優が登場している。但し台詞や携帯をいじるシーンはない。動画⇒[28:http://v.youku.com/v_playlist/ch00f914311o9p43.html ★13]
- 第1期第49話では、ハヤテが路面電車にはねられる、というさよなら絶望先生第一期第11話を髣髴とさせる?シーンが(別な何かのパロディかもしれませんが)。動画⇒[47~:http://v.youku.com/v_playlist/f914311o1p48.html ★21]
- 第2期第22話では、上述の「足橋剛治」先生が登場する第139話がアニメ化された。
アニメ版『さよなら絶望先生』作品中におけるハヤテのごとく!関連ネタ[編集]
第05話『シミと毒だし』の張り紙ネタで、アニメ『ハヤテのごとく!』の第10話がオリジナル脚本に差し替えられたこと(主人公の綾崎ハヤテ役を演じる白石涼子が声帯の手術を行った影響による)を「オリジナルストーリーはカオス回」とネタにされた。
- ↑ ただし、新ロゴ初使用となった306話掲載のサンデー2011年10号の表紙では旧ロゴが使用されていた。
- ↑ これまでにも、単行本のおまけコーナーやアニメ第1期の各話・次回予告の題字を担当している。
- ↑ 小学館プロダクション(2008年より小学館集英社プロダクション)の関連会社。
- ↑ 通算3作目のTVシリーズだが、第1期・第2期の内容を引き継がず、畑健二郎原案のオリジナルストーリーとなる新作アニメを予定している。そのため、畑先生はまんが家BACKSTAGEにて「第三期ではありません。」と語っている。(⇒★>http)
- ↑ コミックス第30巻で新作アニメの制作発表がされていた。
- ↑ アニメオリジナルキャラクター。
- ↑ アニメオリジナルキャラクターで、原作に登場する「姫神」とは異なる。
- ↑ 綾崎の苗字が「凌奇」、橘ワタル(中国語表記は「橘亘」)が「鞠宣」、大河内の苗字が「何」、冴木ヒムロが「慕容兵侍」、東宮康太郎が「康太郎」(康が苗字で、太郎が名前)など。
- ↑ 鷺ノ宮伊澄が「端木澤語」という男性キャラクターに変更。
- ↑ 三千院ナギが18歳、綾崎ハヤテが21歳、マリアが22歳、桂ヒナギクが21歳、橘ワタルが21歳、貴嶋サキが40歳など。