六日目/こがね袋

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五日目/娘ほめ七日目/無情風呂

六日目/こがね袋(こがねぶくろ)[編集]

タイトルの元ネタは落語『黄金餅(こがねもち)』
有名な演者は五代目古今亭志ん生、五代目立川談志。

自分の死後、自らの財産が他人に渡るのを嫌がった僧が、金を餅に包んで飲み込み、そのまま墓の中へ持っていこうとする。
しかしそれを目撃していた男が、飲み終えた直後に死んだ僧からその金を我が物にしようと企む。

作品情報[編集]

2010年1月9日発売、別冊少年マガジン2月号に掲載。

扉絵(別冊少年マガジン連載時のみ掲載)[編集]

お正月に合わせ、七福神の宝船がモチーフ。
帆の陰にさりげなく覆面落語家の姿も。
単行本ではP3に収録された。

P61[#iba7672c][編集]

P62〜63[編集]

1コマ目(見開き)[編集]

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一人を除いて「さよなら絶望先生」御一行。
右から木村カエレ大草麻菜実覆面落語家小森霧大浦可奈子加賀愛一旧さん関内・マリア・太郎風浦可符香木津千里音無芽留ことのん

P64[編集]

2コマ目[編集]

木胡桃「でもやっぱりトリはマリーさんでないと」[編集]

寄席に出る演者たちの最終演目を務めるだけでなく、(昔の寄席では)興行のギャラ(ワリ)を代表して受け取り、他の芸人達に分配する役目でもあったため「トリ」と呼ばれる。ちなみに最初に出るのは主に新人格で、「ハナ(端)」もしくは「サラ」と呼ばれる。
通常は真打格の噺家や芸人でなければこの役目にはなれない(トリの人選は席亭の意向も強く反映される)。特に正月寄席のトリは落語家にとって格別の名誉でもある。なお、トリが真打格の噺家や芸人による演目ではない場合は「大喜利」になる(「ピンからキリまで」の「キリ」が由来)。
(作中では不本意なトリだった魔梨威も別マガ誌面では表紙を飾り、さらに誌面P1では新年の挨拶に単独で登場するなどハナ、もとい華のある役どころであった。)

ちなみに歌舞伎や寄席など、日本古来の芸能では正月には必ず顔見世興行(寄席では初席とも称する)を行うのが慣例であり、この時には噺家や芸人は演目がなくても挨拶で出演する場合が珍しくないので、魔梨威のように一音だけの出番でも理にはかなっている。

5コマ目[編集]

手寅「今年もよろしくお願いしまぬ くらいのこと言っちゃいそう」[編集]

木津千里の口癖からか?

苦来「今年もよろしくお願いしまう とか言っちゃいそう」[編集]

出典はおそらく、あずまきよひこの漫画『よつばと!』に登場する女子高生、通称「しまうー」のエピソードから。
新学期の自己紹介の際に「よろしくお願いしまう」とかんでしまって以来、彼女のあだ名になってしまったというもの(同コミックス7巻参照)。

P65[編集]

4コマ目[編集]

貼り紙(上)[編集]

ゲーム『ポートピア連続殺人事件』の真犯人、間野康彦(通称・ヤス)の指名手配書。

貼り紙(下)[編集]

悪魔祓いのお札。五日目より。

丸京二文字だって五文字の奴より立派な仕事する場合もある」
魔梨威「ああ それは説得力あるな」
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さよなら絶望先生第十九集紙ブログを参照。
別冊少年マガジンでは2009年11月号に続いて今話掲載号の表紙と巻頭も飾る快進撃ぶり。さらに表紙の名前表記も「久米田康治×ヤス」な上に字のサイズも久米田康治の方が大きくなっている。

5コマ目[編集]

苦来「長い名前のジュゲムだって他人の子供殴るくらいしかしてないしね」[編集]

小噺「寿限無」より。
長い名前をつけると長生きすると教えられた父親が、生まれた子供に縁起の良いものを全部繋げて名付けてしまったという話。
苦来の言う通り、成長したジュゲムがよその子供とケンカをして殴ってしまう展開になるが、この噺の元になった古い民話では川もしくは井戸に落ちたジュゲム(地方によっては他の名もある)が、長い名前を呼ぶ手間で助けが遅れて溺死してしまうというブラックユーモア展開になっていたりする。

余談だが、海外の笑いでもこうした長名前ネタは存在しており、邦訳放送されたこともある英国のコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』では長すぎる名前の候補者を番組内で紹介しきれない「選挙速報コント」や名前が長い上に親類縁者が多いバイキング達の状況説明だけで精一杯な「ジョールの武勇伝」がある。
こちらも、長名前の選挙候補やジョールは特に活躍できないオチがついていた。

6コマ目[編集]

手寅「ウチの師匠からみんなにお年玉あずかってきているんだ」[編集]

落語家は真打以上になると前座・二つ目にお年玉をあげる事がほぼ義務のような通例となっており、額は1000円から羽振りのいい師匠ともなると1万円にもなると言われる。
落語協会・落語芸術協会所属の師匠は、新年最初は「初席」に出演する。
2件3件と寄席を掛け持ちしても、出演料は1万円にも満たないのに楽屋に居る数十人の前座・二つ目に与えるお年玉の為、十万単位で赤字になると言う。
逆に前座は数十人の真打からお年玉を貰える為、十万単位での収入になる。
自分で稼がなければいけない二つ目にとっては生命線でもある。

P66[編集]

P67[編集]

10コマ目[編集]

苦来「ちょ・・・私のコレ 二千円札もあるの!?」[編集]

2000年に発行されたものの、流通対応の不便さが一向に改善されぬまま2010年現在は生産休止中。
生産のきっかけに大きく関わった沖縄県では銀行などがATMからの出金の際に二千円札を混ぜるなどの普及活動を行っているが、あまり成果を挙げていない。
既に将来のプレミアを期待する声すらあり、もはや完全にネタ紙幣の感がある。

14コマ目[編集]

机の上にあるトラの置き物[編集]

今年が寅年であることと竹宮ゆゆこのライトノベル及びアニメ『とらドラ!』より。
メイン・ヒロインの逢坂大河のあだ名「手乗りタイガー」から。

P68[編集]

5コマ目[編集]

丸京「過去には十万円やらの記念硬貨も日本銀行は発行している」[編集]

例を挙げると枚挙に暇がないが、背景に登場している記念硬貨はそれぞれ

  • 上:東京オリンピック記念百円硬貨
  • 左下:国際連合加盟50周年記念千円硬貨
  • 右下:天皇陛下御在位20年記念一万円硬貨

である。
丸京の言う十万円の記念硬貨には、天皇陛下御在位60年記念硬貨、天皇陛下御即位記念硬貨がある。

なお、紙幣を発行しているのが日本銀行(製造は国立印刷局)のため、貨幣も日本銀行の発行と思われがちであるが、貨幣の発行は日本政府(製造は造幣局)が行っている。製造された貨幣は、通常貨幣は日本銀行に交付され、記念貨幣は造幣局が販売している。[1]


P69[編集]

3コマ目[編集]

貼り紙「新」「変」「偽」「命」[編集]

いずれも今年の漢字より。
上から2009年、08年、07年、06年の順。

4コマ目[編集]

丸京「500ウォン硬貨なら今500円玉として自販機で使えるか」
手寅「犯罪だからそれ」
苦来「一昔前にはやったなぁ」
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韓国の500ウォン硬貨の大きさや材質がよく似ていることからドリルなどで穴を開けて重量を調節した変造硬貨が自販機で使用される事件が90年代末ごろに頻発した。
のち2000年に新500円硬貨が発行され、自販機メーカーも改良を進めたことで変造硬貨の被害は減少している。
かってに改蔵』でも度々ネタにされていた。

7コマ目[編集]

カギ「KEY」[編集]

形がSHOWA製の家鍵風。

P70[編集]

2コマ目[編集]

手寅「バブルの頃の銀座のクラブのママかい」[編集]

不動産価格の右肩上がりで成金が増えた80年代~90年代前期のバブル経済の頃は女性への貢ぎも豪勢であったが、水商売の女性は客の過度なのめり込みを防ぐため伝統的に特定の客との緊密な関係を控える傾向にあり、特に自分の住所を客に教えるのは禁忌に近いほどに稀である。マンション住まいが定石なのは、住所を知られにくくするためと、もし知られた場合の引越しをしやすくするためでもある。
このため、マンションは愛人向けの貢ぎといえる。

3コマ目[編集]

丸京「この人は畳という単位しか知らないのかね」(連載時)
丸京(この人は畳という単位しか知らないのかね)(単行本時)
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不動産においては総面積の場合は「坪」もしくは「平米」を主に用いて、各間取りの面積においては「畳」を主に用いる。
別冊少年マガジン掲載時では声に出していたが、モノローグへと変更されている。

5コマ目[編集]

苦来「恐ろしいモンスターがうじゃうじゃいるの!」[編集]

クラーケン、スケルトンなど定番に混じって、ドラゴンクエストのスライムがいる。

P71[編集]

P72[編集]

P73[編集]

P650・P651(別冊少年マガジン連載時のみ掲載) 楽屋雀の巣 じょしらく通信 ファンページ[編集]

かゆいところ[編集]

P65の6コマ目、P66の1コマ目[編集]

手寅が師匠から預かってきたお年玉袋は4つ。これを皆に選ばせているので、自分のものは先に取っていることが伺える。
このため、覆面落語家によるお年玉横取りもさりげなく回避しているものと思われる。


六日目/こがね袋~
五日目/娘ほめ七日目/無情風呂
  1. 「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第4条・第10条より。