236話『遅き・琴・菊』
236話『遅き・琴・菊』(おそき・こと・きく)[編集]
タイトルは横溝正史の推理小説「犬神家の一族」に登場するキーアイテムである、犬神家の家宝「&ruby(よき){斧};・&ruby(こと){琴};・&ruby(きく){菊};」から。
犬神佐兵衛の遺言状に、「斧・琴・菊」を佐兵衛の恩人である野々宮珠世に譲渡し、遺産を犬神家の3人の婿候補から珠世が選んだ者に与えることが記されていた。ところが「菊」「琴」「斧」にかけた殺人事件が連続して発生していくストーリーとなっている。
なお、「斧・琴・菊」は歌舞伎役者・尾上菊五郎の役者文様「斧琴菊」に由来する。(⇒★>http)
作品情報[編集]
2010年9月8日発売、週刊少年マガジン41号に掲載。
欄外(雑誌掲載時のみ)[編集]
9月9日の節句は菊の花びらを浮かべたお酒を飲んだり
菊の露のしみこんだ綿で体を拭いたりしていたそうです(ネット調べ)[編集]
菊の花びらを浮かべたお酒は「菊花酒」、菊の露のしみこんだ綿を「被せ綿」と呼ぶ。
被せ綿は節句の前夜に菊の花に綿を乗せておき、菊の薫りと夜露を染み込ませておいたという。
P76(単行本追加ページ)[編集]
扉絵[編集]
菊の花のにおいをかいでいる木津千里。
P77[編集]
1コマ目[編集]
糸色望「菊祭りです」[編集]
菊祭りは、全国各地で鑑賞用の菊の品評、菊人形や菊細工の展示などを行う催事。
菊の花は、皇室の紋章(菊花紋、十六八重表菊)となっていることから日本を象徴する花とされ、春の桜に対して秋を代表する花として古来より愛好されている。
2コマ目[編集]
日塔奈美「なんか先生死んじゃったみたい」[編集]
菊は仏花として利用されることが多く、仏壇や墓参には欠かせない。また、大規模な葬式の際には参列者が白菊が献花していく場合もあるため、大量の菊に囲まれると死を想像してしまうかもしれない。
3コマ目[編集]
風浦可符香「重陽の節句ですものね」[編集]
重陽の節句(別名:菊の節句)は長寿を祈願する祝いで、五節句の一つ。
五節句とされているのは下記のとおり。
~節句 | ~日付 | ~別名 | ~現在の風習 | h |
CENTER:人日 | CENTER:1月7日 | CENTER:七種の節句 七草の節句 |
CENTER:七種粥 | |
CENTER:上巳 | CENTER:3月3日 | CENTER:桃の節句 | CENTER:雛祭り | |
CENTER:端午 | CENTER:5月5日 | CENTER:菖蒲の節句 | CENTER:菖蒲湯、鯉幟 五月人形、柏餅 | |
CENTER:七夕 | CENTER:7月7日 | CENTER:竹の節句 笹の節句 |
CENTER:七夕祭り | |
CENTER:重陽 | CENTER:9月9日 | CENTER:菊の節句 | CENTER:- |
現在では、重陽の節句の風習のみがあまりみられなくなっている。
ちなみに現在にも残っている節句の風習は、公家や武家の風習が時代の変遷(主に江戸時代以降)を経て一般庶民にも定着したことが大きな要因になっている。
P78[編集]
1コマ目[編集]
木津千里「十日の菊。六日の&ruby(あやめ){菖蒲};。」[編集]
「十日の菊」の解説は2コマ目のとおり。
「六日の菖蒲」は、5月5日の端午の節句に使う&ruby(しょうぶ){菖蒲};を翌日の6日に用意しても価値がないということから。ちなみに、昔は「しょうぶ」のことを「あやめ」と呼んでいた[1]ため、諺では「六日のあやめ」と読む。
諺としては「六日の菖蒲、十日の菊」と逆に言う場合もある。また、類義の諺に「後の祭り」「証文の出し遅れ」などがある。
5コマ目[編集]
50円玉[編集]
1955年の発行以来、表面は菊の花がデザインされている。
ちなみに日本発行の硬貨は、植物がデザインされている面を表面にしている。
6コマ目[編集]
日塔奈美「26日のクリスマスケーキみたいなものか」[編集]
12月26日はクリスマス・イヴもクリスマスも過ぎているので、クリスマスケーキとしての価値は無くなり、普通のケーキとなります。
ちなみに日本では、クリスマスケーキを24日のクリスマス・イブに食べる習慣となっているため、1980年代~90年代前半の頃は「25日のクリスマスケーキ」を価値の下がったものとして扱い、結婚適齢期が過ぎたという意味で25歳以上の独身女性を「クリスマスケーキ」と揶揄することがあった。
P79[編集]
5コマ目[編集]
スタンプカード「崎山春のパン祭り」[編集]
山崎製パン株式会社が毎年2月1日から4月30日に開催している「ヤマザキ春のパンまつり」より。
山崎製パンの製品に添付されているシールを集めるとお皿が貰える、というキャンペーン。1981年から行われている。
P80[編集]
1,3,4コマ目[編集]
[[小節あびる「5月1日のパン祭り」<br /]]の回想「ああ一日遅れた」
小節あびる「一日前なら白いお皿がもらえたのに」[編集]
「崎山春のパン祭り」は〆切日4月30日となっているが、「ヤマザキ春のパンまつり」では白いお皿の交換期間は例年5月9日まで(点数シールの添付が4月30日まで)なので、ポイントさえ溜まっていれば5月を過ぎてもお皿の交換は可能である。
なお北海道では、例年一ヶ月遅れ(シール添付は3月1日~5月31日、交換は6月9日まで)の開催なので、5月どころか6月を過ぎても交換可能。
P81[編集]
1コマ目[編集]
糸色望「食べ終わったあとに出される薬味とか」[編集]
薬味はそばなどの食べ物にかけるための調味料なので、食べ終わった後に出されても意味がありません。
2コマ目[編集]
糸色望「お会計した後に持ってることに気付く割引券とか」[編集]
通常価格・通常料金で払うハメに。悔やんでも時遅し、「後悔先に立たず」です。
3コマ目[編集]
糸色望「DVD借りた日にTVで放映される20世紀少年とか」[編集]
浦沢直樹の漫画作品を原作とした実写映画「本格科学冒険映画 20世紀少年」のこと。
2010年8月13日に第1章、同20日に第2章、同27日に最終章が日本テレビ系列で放送されている。
久米田先生がこの時期にDVDを借りてしまったのだろうか?
4コマ目[編集]
糸色望「確定申告終わってから渡される領収書とか」[編集]
個人自営業者による申告所得税の確定申告のこと。
経費の金額を算出する際には、関連する領収書を集計するため、後から領収書を渡されると確定申告書を更正する手続きを取る手間が発生する。
なお、確定申告の対象期間は年度ではなく年単位、つまりその年の1月1日から12月31日までを課税期間として翌年の2月16日~3月15日に申告することとなる。したがって確定申告が終わった時期の春先の日付の領収書ならば、その年の課税期間書類として使用可能である。
ただしコマ絵では、前田くんが机の引き出しに仕舞い込んでいた過去の領収書を発見したようなので、すでに確定申告には間に合わないであろう。
P82[編集]
1コマ目[編集]
札「ペットのコージマ」[編集]
ペットの専門店コジマより。(⇒★>http)
163話にも登場している。
皿「ベ」[編集]
ペットフードブランド「ペディグリーチャム」より。
皿のイラスト[編集]
日本ペットフードのキャラクターの「ビタワン君」か。
3コマ目[編集]
糸色望「もっともっと子犬の時は15万円だったんですよ 大きくなればなる程お安くなる」[編集]
6コマ目[編集]
稲妻模様のある犬[編集]
ディズニー映画「ボルト」に登場する主人公のボルト。
P83[編集]
9コマ目[編集]
ポスター「油田爆破セヨ」[編集]
元ネタは2005年頃に日本中国間で問題となった東シナ海ガス田開発のこと。
櫻井よしこ女史が後手に回っている日本政府の対応等を手厳しく批判し、「与野党共同で対処せよ」と述べたことから。
28話、111話、208話、212話でも登場。
なお、今話が掲載される前日2010年9月7日には、尖閣諸島周辺海域において、島の領有権を主張している中国の漁船とされる船が洋上警備に当たっていた海上保安庁巡視船に衝突を仕掛けるという事件が発生した。今後、領土拡大を狙う中国が日本に対して強硬姿勢に出る事態が予想される。
P84[編集]
1コマ目[編集]
糸色望「はるな愛完走しましたね」[編集]
8月28日(土)から29日(日)にかけて放送された日本テレビ系列の『24時間テレビ33「愛は地球を救う」』で行われたチャリティーマラソンにて、はるな愛が85kmを完走したこと。
『24時間テレビ「愛は地球を救う」』は1978年から例年8月の最終週の週末に行われ、チャリティーマラソンは1992年の『24時間テレビ15「愛の歌声は地球を救う」』から毎年行われている。
1,2,3コマ目[編集]
[[常月まとい「先生いけません 単行本になった時風化します」<br /]]「時事ネタってそうだよね。」
小節あびる「単行本になった時に賞味期限切れになるよね」[編集]
今話を収録した第二四集が出たのは翌年2月17日、約5ヶ月後の発売となりました。
P85[編集]
P86[編集]
5コマ目[編集]
電車[編集]
行先表示が東京なことから、たぶん国鉄の101系。
P87[編集]
2コマ目[編集]
糸色望「十日の菊に絶望した」[編集]
連載終わってからドラマ化[編集]
2008年12月まで『週刊少年マガジン』で連載されていた『ハンマーセッション!』のこと。
詐欺師の主人公が教師となり、生徒のトラブルを解消していく学園漫画。
2010年5月にドラマ化が発表され、7月より放送されている。なお、ドラマ化の発表に合わせて5月26日発売のマガジン26号から続編『ハンマーセッション! In High School』の連載が始まっている。
打ち切りが決まってからアニメ化された作品としては、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『武装錬金』がある。アニメ化の知らせを受けた作者の第一声は「今更ァ!?」だったという。
歯を磨いた後、母親に出されるリンゴ[編集]
1964年にライオンから発売された歯磨き粉「デンターライオン」のCMコピー「林檎をかじると、血が出ませんか?」から。(動画⇒★>http)
起きた後に大音量で鳴る目覚まし時計[編集]
朝早く起きて目覚まし時計のアラーム機能を事前に切っておかないと、こういうことになる。
車の所有台数が減ってからできるマンションの駐車場[編集]
交通網が行き届き、車の必要性が薄れた都心のマンションの中には駐車場利用率が高くない場合があるようです。
彼女と別れた後に届くニトリのダブルベット[編集]
北海道札幌市に本社を置く家具の製造小売業「ニトリ」のこと。
原材料の仕入れや生産と輸入を自社で行うため、割安感のある商品を販売できるメリットを活かし、販売売り上げは日本一のシェアを記録している。
しかしこの場合、割安感はあっても予想外の出費となり結局は買って損するパターンに。
横浜で彼氏ができたのに元カレがやってきた[編集]
ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」か。
歌詞の内容は、主人公の男性が証言を頼りに少しずつ捜している女性へと近づいていくというもの。
ただし歌詞では主人公がやってくる半年前に女性は横浜から去っているので、彼氏ともこの時に別れたと思われる。
ぼったくられた店が摘発されるニュースを観る[編集]
まさか前田くんの実体験!?
会社が無くなってから入る注文[編集]
工場が海外移転してからの円安[編集]
生産工場などを海外に置くのは、円高による輸出時のコスト増を抑える目的があるため。そのため、円安になると海外生産分を逆輸入する際にコスト増となってしまう。
ただし、海外移転は為替相場の変動対策という側面もあるが、現地生産によるメリット(製造コストや人件費等の費用、世界規模で展開する場合の流通など)も鑑みて行われる。
校了の後、思いつくアイディア[編集]
今週の久米田先生の自虐ネタ。
単行本にて思いついたアイディアが追加されるのでしょうか?
3コマ目[編集]
風浦可符香の持っている本「賢者のおくりもの」[編集]
オー・ヘンリーの短編小説「賢者の贈り物」。あらすじは5コマ目のとおり。
5コマ目[編集]
「賢者のおくりもの」のストーリー[編集]
エドワード・ゴーリー風の挿絵。
P88[編集]
1コマ目[編集]
「聖職者のおくりもの」のストーリー[編集]
P87 5コマ目と同じくエドワード・ゴーリー風の挿絵。
5コマ目[編集]
木津千里「穴を掘らなくても、ハチミツを塗って、山林に放置しておけばいいらしいよ。」[編集]
一般的にはカブトムシやクワガタムシなどの採取方法。ともに樹液を好むことから、蜂蜜を水で薄めた液を木の肌に塗布しておくと、翌朝に集まっているというもの。
だがここで木津千里がやりたいのは、蟻を集らせる拷問・処刑方法だと思われる。
元ネタは真鍋昌平の漫画『闇金ウシジマくん』より。単行本第5巻の「ギャル汚くん編」を参照。
身動きがとれない様に拘束してハチミツを全身に塗って山林に放置すると、蟻の大群に集られて体を齧られ、数日すると白骨死体だけが残るというもの。
欄外(雑誌掲載時のみ)[編集]
怖き・琴・聞くでした。[編集]
P89(単行本追加ページ)[編集]
温泉で間接入浴する男子たちの機会損失。男子生徒籍のマ太郎もさりげなく混ざっている。
義務キャラクター[編集]
今話の常月まとい[編集]
P83の9コマ目[編集]
P84の1,2コマ目と全身絵[編集]
今話のパンチラ[編集]
P85の1コマ目[編集]
今話の皇帝ペンギン[編集]
P88の1コマ目[編集]
今話のさのすけ・さのすこ[編集]
P78の3コマ目[編集]
今話の櫻井よしこ女史[編集]
P83の9コマ目[編集]
今話の天下り様[編集]
今話のコウノトリと赤ちゃん[編集]
P80の4コマ目[編集]
P80の6コマ目(赤ちゃんのみ)[編集]
今話の棒犬[編集]
P85の4,5コマ目[編集]
今話の黒い涙[編集]
今話の麻生太郎氏[編集]
今話の安倍晋三氏[編集]
今話の石破茂氏[編集]
P84の2コマ目[編集]
今話のAAA[編集]
P78の4コマ目[編集]
今話のきよ彦[編集]
P85の3コマ目[編集]
今話の神シール[編集]
今話の闇の目[編集]
P81の3コマ目[編集]
今話の娘々[編集]
P84の2コマ目[編集]
今話の面白シール[編集]
今話の漫画界が平和でありますように[編集]
P78の5コマ目[編集]
今話のせんとくん[編集]
今話のイロイロ削られたナニか(・3・)[編集]
P86の5コマ目[編集]
今話の文化庁[編集]
P83の1,3コマ目[編集]
今話の草彅剛[編集]
今話の酒井法子[編集]
P78の4コマ目[編集]
今話の友愛[編集]
今話のスキ魔[編集]
今話のハト[編集]
P78の4コマ目[編集]
かゆいところ[編集]
巻末コメント[編集]
「はじめて『ゲゲゲ~』を観たら仕事が無くなる回だった」[編集]
NHKの朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』のこと。
久米田先生が見た回は第23週『妖怪はどこへ消えた?』(2010年8月30日放送週)で、茂(演:向井理)の仕事が激減するエピソードだった。
コメント欄[編集]
こちらへどうぞ。
http://kumetan.net/test/read.cgi/wikibbs/1283873122/l50
- ↑ 現在「あやめ」と呼ばれる花は、「はなあやめ」と呼ばれていた。