鎧伝サムライトルーパー
鎧伝サムライトルーパー(よろいでん さむらいとるーぱー)[編集]
名古屋テレビ(現・メ~テレ)をキーステーションに、テレビ朝日系で1988年から1989年に放送されたアニメ作品。制作はサンライズ。ファンからは「トルーパー」と略して呼ばれることが多い。
キー局の手違いで、同じ話を二週連続放映してしまった伝説がある。
作品概要[編集]
1980年代中盤に週刊少年ジャンプで連載されていた『聖闘士星矢』がアニメ化されたことに端を発し、『天空戦記シュラト』『超音戦士ボーグマン』など、戦闘用強化スーツを着込んだ美少年チームが装着変身型ヒーローとして肉弾バトルを行う(いわゆる「クロスもの」と呼ばれる)テレビアニメで流行した際の流れを汲む作品。
本作もこの影響を受け、二匹目のドジョウを狙う形で始まったアニメ作品の一つで、巨大ロボットアニメには定評のあるサンライズ制作アニメ番組としては異色の等身大ヒーローアニメであった。
サンライズの井上幸一氏は「聖闘士星矢を研究して舞台を日本に持ってくると…『サムライトルーパー』が出てきた」と述べている。戦国時代の甲冑をモデルにした鎧擬亜(よろいギア)と呼ばれるスーツを採用、講談ものでおなじみ『南総里見八犬伝』の要素を取りいれ、全体を和風にアレンジしてひときわ異彩を放っていた。
みどころは反物が走り、桜吹雪が舞い散り、日本刀を駆使するなど、和風ビジュアルが炸裂する装着&戦闘シーン。5人の少年たちのセリフや行動、演出も実にケレン味たっぷりなもので、美形の男性キャラを担当する美声の主演声優陣が当時の女性ファンの絶大な支持を得て大ブレイク、いわゆる腐女子に大人気となった。
男性主演声優5人が「NG5」というユニットを組んで活動、キャラクター人気と相まって一大ブームとなり、サンライズにも当時『機動戦士ガンダム』以来という大きな版権収入をもたらす事となる。NG5の人気はアニメ業界のみならず多くの一般マスコミで取り上げるほどだった。
メインキャスト[編集]
~キャラクター | ~キャスト |
真田遼(烈火のリョウ) | 草尾毅 |
伊達征士(光輪のセイジ) | 中村大樹 |
羽柴当麻(天空のトウマ) | 竹村拓 |
&ruby(シュウ・レイファン){秀麗黄};(金剛のシュウ) | 西村知博(現・西村朋紘) |
毛利伸(水滸のシン) | 佐々木望 |
玩具が売れず打ち切り[編集]
一方で、本来のターゲットである男児向け玩具などは全くといっていいほど売れず逆に腐女子向け商品ばかり売れたため、メインスポンサーの玩具メーカーのタカラにはまるで旨味が無かったことからテレビシリーズ自体は3クールで打ち切りとなった。
NG5を特集したドキュメンタリー番組にて倉庫にうずたかく積み上げられた商品の前でタカラの営業が『隣のレーンでストライクを出したようなもの』と語っている。のち、海外放送である程度の評価を得られたためフィギュアトイの一部は輸出され「SAMURAI WARRIORS」の商品名で出回った。
先述の作品群と併せ、やおいアニメのはしりとして腐女子の通過儀式の一つともなっているらしい。
再評価も厳しく[編集]
現在でも当時の玩具が高価格で取引され新製品まで出続けている『聖闘士星矢』に比べると、トルーパー玩具は未だに再評価の声も少ない。2009年にはバンダイのアーマープラスシリーズで主人公の烈火のリョウが発売されているが、注目度が低いのかあまり販売店でも扱われていない。また、デラックスボンボン引用エラー: <ref>
タグに対応する </ref>
タグが不足していますに交代、また細井雄二による漫画のみで映像化は一切されておらず、その細井も決して美形キャラに定評のある作家というわけではなかった。そもそも当時のボンボンは『SDガンダム』や『ロックマン』など、コミックボンボンの黄金期である90年代前半に発行されていた派生雑誌。1995年休刊。</ref]]の嗜好とは真逆の作品が中心だった為、たまたま兄弟にボンボン読者がいるようなファンのみが作品の存在を知っていたようだ。
後のアニメに与えた影響[編集]
そんな本作ではあるが、以降のアニメ(主にサンライズ作品)に影響を与えている。例えば『勇者指令ダグオン』のように、表向きは男児向けだが、最初から腐女子人気も意識した作品も増えた。また、ロボットアニメの『勇者ライディーン』のリメイク版『超者ライディーン』は変身ヒーロー物として制作されたが、5人の美少年が普段はアイドルグループとして活動していたり、変身する時服が破れる為、変身を解いたら全裸になってしまったり、後半に登場したライバルグループもまた負けず劣らずの美形ぞろいと潔いまでに露骨過ぎる内容が裏目に出たのか腐女子にとってもマイナージャンルとなってしまった。
因みに、やおいガンダムの異名を持つ『新機動戦記ガンダムW』は、スタッフが共通している事から当初は『鎧伝サムライトルーパー2(仮)』として企画されたがスポンサーが付かない為ガンダムとして企画され直したという噂があるが、真偽は不明。
海外での影響[編集]
北米では1995年に『RONIN WARRIORS』の題名で放送された。当時は一部地域での配信で視聴率的には芳しくなく終わったが、日本から海外に渡った最初のやおいアニメ作品としてアメリカ人少女たちに少なからぬ印象を残し、「腐女子による美少年愛」は国境を越えた普遍を示したという[1]。
ほか、イタリアでは『I cinque samurai』、スペインでは『Los Cinco Samurais』、フランスでは『Les Samouraïs de l'Eternel』、香港では『鎧甲聖鬥士』、台湾では『鎧傳』の題名で放送されている。
また、一部のWEB辞書や翻訳サイトではなぜか【RONIN WARRIORS:鎧伝サムライトルーパー】とそのまま直訳されている。
久米田康治との関連[編集]
さよなら絶望先生 作品中にて[編集]
上述のとおり、腐女子の通過儀式の一つとなっているらしいことから、73話では藤吉晴美が「腐女子の通過儀礼 センパイからトルーパーを強制的に見せられる!」と発言。
また、あのサーヤ様が『鎧伝サムライトルーパー』をはじめとするアニメが大好きだったことが15話や52話などでネタにされている。
さよなら絶望先生 絶望声優関連[編集]
藤吉晴美役の松来未祐は、子供の頃に見た『鎧伝サムライトルーパー』がきっかけで声優を志したという。
2009年7月19日開催の「松来未祐ライブ2009 ~なっとく、いっとく!?みゆサマー~」においても、サムライトルーパーのキャラソン『も一度Baby Blue』を熱唱している。
じょしらく声優関連[編集]
アニメ版防波亭手寅役の山本希望がファンであると発言している。あまりゲームはプレイしないという山本であるが、『サムライトルーパー』のキャラクターも登場する『サンライズ英雄譚』[2]はプレイしたという。