うる星やつら
うる星やつら
高橋留美子による漫画。「週刊少年サンデー」にて、1978年39号から1987年8号まで連載された。全34巻。
1998年~1999年に文庫版が全18巻で発売され、また2006年~2008年には単行本の新装版が毎月2巻ずつ刊行された。
概要
浮気者の諸星あたると、彼を愛する一途な宇宙人・ラムを中心に架空の町、友引町や宇宙や異次元などを舞台にしたラブコメディタッチのギャグ漫画。
高橋留美子の代表作のひとつであり、高橋は後年、本作と『めぞん一刻』を「(自分の)20代の漫画で自分の青春である」と語っている。
その内容の斬新さと魅力的なキャラクターは1980年代のみならず以降の漫画界とアニメ界に多大な影響を及ぼした。第26回(1980年度)小学館漫画賞少年少女部門受賞。
あらすじ
宇宙人である鬼族が地球侵略を仕掛けてきた。鬼族は圧倒的な技術力と軍事力を保有しており、武力で容易に地球を手に入れるのでは簡単過ぎて面白くない。そこで、鬼族代表の選手と地球代表の選手が一騎打ちで戦い、もし地球代表が敗れた場合、地球を占領すると宣言した。
その一騎打ちは、鬼族の伝統に従い『鬼ごっこ』で行われ、期限内に地球代表が鬼族代表の角を掴むと地球の勝ち、鬼族代表が逃げ切ると鬼族の勝ちというものであった。
地球の命運を賭けた「鬼ごっこ」の地球代表の選手に偶然的に選ばれてしまった高校生の諸星あたるは、当初やる気がなかったものの、恋人である三宅しのぶの色恋仕掛けにより、彼女と結ばれたいがために鬼族代表の選手であるラムを追いかけ始める。
あたるがラムを追いかけつつ発した「勝って結婚じゃあ~!」の一言は、あたるが幼なじみのしのぶを想っての発言であったが、ラムは自分に求婚しているのだと勘違いし、それを受け入れてしまう。
その結果、鬼ごっこには見事勝利し、地球は侵略を免れるが、ラムは諸星家に住み着いてしまう。
かくして、恋多き男・あたるとラムの果てしなき鬼ごっこが始まる。そして、友引町はさまざまな災いや奇妙な出来事に巻き込まれていくのであった・・・。
アニメ版
1981年10月14日から1986年3月19日までテレビアニメ化され、原作1巻から29巻までの内容がTVアニメ化されている。全218話。
序盤は視聴率こそ20%前後と好調だったが、「つねに半裸の少女が登場している」「登場人物が下品なことを言うのを子供が真似をする」などの理由で、フジテレビのワースト番組上位の常連に入っており、番組企画者はつねに会議室で謝らされていたという。
放送初期は15分2話形式だったが、原作に追いついてしまうため、第3クールより30分1話形式へとシフトした。そのため「放送回数」と「話数」が異なっている。
放映当初は「原作との違い」などを理由として、原作ファンからカミソリの入った抗議の手紙や、罵詈雑言の録音されたカセットテープが多数寄せられ、当初のチーフディレクターであった押井守の降板話まで浮上した。しかし、3クール目から体制を立て直し、文芸に制作進行だった伊藤和典を抜擢、アニメーターに自由にやらせたことから、森山ゆうじや山下将仁、越智一祐といったメカも描ける当時の若手の実力派アニメーターが集まるようになると制作に余裕ができて、次第に評価は上向きとなっていった。
前半は押井の嗜好により、ギャグのネタとして漫画やアニメに映画や有名人、歴史に残る名言などをパロディにした回もあるが、これらの回の中には細かすぎて視聴者には伝わらないパロディも存在しており、当時の局上層部からも「やりすぎだ」「意味がわからない」と注意をうけた回もあった。
押井が降板した後半では「原作に忠実にしたい」と、新チーフディレクターのやまざきかずおは当初うたったものの、演出面での押井作品との違いや、作画スタッフなどの交替、原作の人気エピソードのほとんどを消化した、などのさまざまな要因から、結果的に原作の完結を待たずにアニメの方が1年ほど早く放送を終了する形となり、原作での最終エピソードの「ボーイ・ミーツ・ガール」は、1988年に劇場版『うる星やつら 完結篇』として製作・上映された。
また、TV/劇場双方でアニメ化されなかったエピソードも後にOVAとして制作・販売されている。
全話収録BOXの先駆け
TVアニメシリーズ放送終了の翌年である1987年の5月、日本初の全話収録LD-BOXがキティフィルムから発売された。
完全予約限定生産50枚組33万円という高額にもかかわらず、最初の申し込みで3000セット、ファンの要望による追加販売でさらに3000セットが販売された。
この成功により、多数のアニメ・特撮・ドラマ作品のLD-BOXが発売されることとなり、後のDVD-BOXやBD-BOXの発売にもつながっていった。
メインキャスト
~キャラクター | ~キャスト |
CENTER:諸星あたる | CENTER:古川登志夫 |
CENTER:ラム | CENTER:平野文 |
CENTER:面堂終太郎 | CENTER:神谷明 |
CENTER:三宅しのぶ | CENTER:島津冴子 |
CENTER:藤波竜之介 | CENTER:田中真弓 |
CENTER:メガネ | CENTER:千葉繁 |
CENTER:パーマ | CENTER:村山明 |
CENTER:カクガリ | CENTER:野村信次 |
CENTER:チビ | CENTER:二又一成 |
CENTER:テン | CENTER:杉山佳寿子 |
CENTER:ラン | CENTER:井上瑤 小宮和枝[1] |
CENTER:弁天 | CENTER:三田ゆう子 |
CENTER:おユキ | CENTER:小原乃梨子 |
CENTER:レイ | CENTER:玄田哲章 |
CENTER:温泉マーク | CENTER:池水通洋 |
CENTER:校長先生 | CENTER:西村和道 |
CENTER:錯乱坊(チェリー) | CENTER:永井一郎 |
CENTER:サクラ | CENTER:鷲尾真知子 |
久米田康治との関連
かってに改蔵 作品内にて
作中にて度々、本作をネタにしており、単行本の新装版が発売された際には、著名な漫画家によるラムのイラストと本作に対する思い入れを語るページ「My Lum×34」に特別イラストと「うる星やつら」に対する思い出のコメントを寄稿している。
- ↑ 井上の降板後、二代目ラン役として務める