三十二日目/逆切れガール
三十二日目/ 逆切れガール(ぎゃくぎれがーる)[編集]
タイトルの元ネタは新作落語の『バスガール』からだろうか。
タイトルに似た演目では他に『手切れ丁稚』などもある。
作品情報[編集]
2012年3月9日発売、別冊少年マガジン4月号に掲載。
P102[編集]
扉絵[編集]
コンビニのレジで接客をする蕪羅亭魔梨威。
商品「トテモチップス うずしお味」[編集]
カルビーの「ポテトチップス うすしお味」の捩り。
渦潮といえばヤス先生と魔梨威の故郷である徳島県の鳴門海峡の名物。
商品「McTOL」[編集]
「メッコール(McCOL)」の捩り。
詳細はマイナー飲料水#メッコール参照。
広告「パンまつり 白いスマイルディッシュプレゼント」[編集]
ヤマザキ春のパンまつりのこと。
左のフィギュア[編集]
右のフィギュア[編集]
保温ケース「特選肉まん 53万円」[編集]
ネットスラングの「私の○○は53万です」からだろうか。
元々は『ドラゴンボール』に登場した敵役のフリーザが「私の戦闘力は53万です」と言って、ナメック星最強の戦士ネイル(と読者)を戦慄させたことが起源で、転じて絶望的要素もしくはそれに因んだ肩透かしの意を含めた決まり文句として用いられるようになった。
フリーザの部下である「ギニュー『特戦』隊」と「『特選』肉まん」を掛けた洒落と思われる。
P103[編集]
欄外[編集]
「TVアニメ化がなくなりました」と土下座して謝ってる訳ではありません!
TVアニメの制作は着々と進行中です!![編集]
1コマ目[編集]
ポスター「うまれてきて すいません」[編集]
額縁「orz」[編集]
跪いている様をアスキーアート化したもの。
顔をふせている猫[編集]
謝っている態度、にも見えるが、猫は周囲が明るい中で眠る時にこのように顔を手で覆って光を遮って眠る。
台の上のロボット[編集]
1974年のアニメ『チャージマン研!』に登場したロボット。
正体は敵の送り込んだ爆弾ロボットで、主人公・研の家族ごと爆破しようとしたが
直前に正体がばれ、海へ放り捨てられて処分された。
塔の模型[編集]
東京スカイツリーの模型。
3月2日に竣工式が行われた。
P104[編集]
コマ目[編集]
P105[編集]
コマ目[編集]
P106[編集]
3コマ目[編集]
ポスター「あの楽屋で待ってる」[編集]
2012年1月より放送されているJ.C.STAFF制作のアニメ『あの夏で待ってる』から。ヤス先生も個人的に注目している旨がブログにて書かれている。
監督は『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などを手がけた長井龍雪が務める。
久米田作品出演声優では阿澄佳奈が北原美桜役を演じている。
追記:掲載後の放送話で、堀江由衣が貴月エミカ役で、井上喜久子が謎の声役で出演している。
貼り紙「舞浜娘」[編集]
6コマ目,P107の1コマ目[編集]
木胡桃「昨年の地震の時 テーマパークで パークに足止めされたお客様に対し スタッフが独自の判断で売り物のタオルや食べ物を配ったりしたことがあって のちに神対応として話題になったんです!」[編集]
東日本大震災発生直後に、東京ディズニーリゾートにいた合計約7万人の客に対して行われた措置。
地震の影響で交通機関がほぼ麻痺状態となったため、従業員総出で園内各施設に誘導し、帰宅可能になるまでの間食料や毛布等を無償提供したことがメディアで数多く紹介された。
運営会社のオリエンタルランドによると、特例措置として見られる向きが多いが、災害対策は事前に想定[1]した上で食料品や毛布などの備蓄や訓練を行っていたとのことで、大規模災害に「想定外」を連発して脆弱さを露呈した政府や東京電力のような対応限界も、十分な想定と備えがあれば底上げの余地のある実証的事例ともいえる。
P107[編集]
2コマ目[編集]
手寅「その他にもいろんな企業やお店が神対応して 逆に信頼を得ているの」[編集]
コンビニ(無料電話を貸してくれる、青空販売、食料品の無料提供)
看板「NOSON」[編集]
- 無料電話
東日本大震災発生直後には携帯電話等の通話が困難となったため、公衆電話が多く利用された。公衆電話は災害時に無料になることに加え、通信規制の際の優先回路の一つとなるため連絡手段として有効だったことによる。
公衆電話は携帯電話の普及により設置数が減少しており、公衆電話を設置している駅前やコンビニの店舗などに利用者が殺到した。
- 青空販売
被災地では地震の翌日から、スーパーやコンビニなどが店舗内のレジが使用不能ながら店舗外に商品を並べ、被災者が食料や生活必需品を購入できるように対応していた。
また震災復興として地震から約2ヵ月後、南三陸町のセブンイレブンが店舗を津波被害で失ったにも関わらず、店舗の敷地内の駐車場で冷蔵トラックと陳列するテーブルを置いて青空の下で営業再開したことが報道されている。
- 食料品の無料提供
地震直後から被災地のスーパー、コンビニ、ディスカウントショップなどでは上記のように青空販売のように営業再開出来なかった店舗では無償提供を行い、日持ちのしない食料品などを無駄にしないよう対応が行われた。
ジャパネットたかた[編集]
東日本大震災の際には、地震発生後すぐに義援金5億円の寄付、商品だった充電済み電池1万セットの被災地への寄贈、テレビ東京で放送した通販(2011年3月16日放送分)の売上を寄付することを発表している。
震災以外での対応でも、2004年3月に顧客情報流出と社員による商品横領の不祥事が発覚した際には、直ちに自社CSチャンネルで高田社長自ら謝罪放送を行い、その後約1ヵ月半の間通販事業を自粛。利益より謝罪と信頼回復を重視した対応として、周囲からは高評価を得た。
大江戸線(復旧後の終日運行)[編集]
震災当日、首都圏の鉄道網は全て運転見合わせをしていたが、安全が確認されたとして私鉄各線は運転を再開し、中でも東京地下鉄・東京メトロの全線は終日運転を行った。
これとは対照的に、JR東日本が当日の運転復旧を行わず、駅構内も閉鎖する対応を取った[2]ために批判対象[3]となったこともあり、私鉄各線の対応が神対応として賞賛された。
P108[編集]
5コマ目[編集]
日本人形[編集]
日本人形も今回はお雛様仕様。
窓の外の人物[編集]
P109[編集]
1マ目[編集]
封筒「*京都文京区音羽二丁目12」[編集]
講談社の本社所在地が東京都文京区音羽2-12-21である。
2コマ目[編集]
菓子「MAR」[編集]
森永製菓のビスケット「マリー(MARIE)」。
4コマ目[編集]
木胡桃「震度2くらいで ぬいぐるみ配る感じ!」[編集]
東日本大震災発生時、東京ディズニーリゾートでは客に防災頭巾の代わりとしてぬいぐるみが提供された。
5コマ目[編集]
木胡桃「逆に困る!! やり過ぎの謝り過ぎの神超え対応!!」[編集]
もりつけ少し崩れただけで作り直しますと居酒屋[編集]
自転車の修理をメーカーにお願いしたら小さいとこなのか社長が取りに来た[編集]
プラモの部品が一つ欠品していただけで丸々箱ごと送りつけてくる[編集]
プラモデルでパーツ不良がある場合はメーカーに問い合わせると、当該パーツのランナーごと、場合によっては新品が箱ごと無償で配送されるケースがある。
なお、購入者側のミスによる紛失・破損の場合でも、有償による部品取り寄せに対応しており、説明書にある部品請求欄に部品番号を記入することで部品を個別に買うことができる。こちらは、指定したパーツのみが配送されてくる。
P110[編集]
1コマ目[編集]
苦来「腹切った上に内臓投げつけたりするものね」[編集]
戊辰戦争で徳川幕府の統制が崩れ、国内情勢が荒れていた1868年3月8日(慶応4年2月15日)に大阪で起きた「堺事件」のこと。
当時は開港されていなかった堺港にフランス海軍の水兵が無断で上陸したことから、警備の土佐藩守備隊が独断でフランス水兵を攻撃して11名が死亡、5名が負傷した。これに怒ったフランス政府は賠償金の支払いと関係した守備隊士全員の処罰を要求し、明治政府はフランスの報復を防ぐため要求をほぼ全面的に受け入れつつ、国内の尊皇攘夷派への刺激[4]を抑えるべく処罰人数を減らすように申し入れ[5]、協議の結果20名の処刑が決定した。
この事件について書いた森鴎外の歴史小説『堺事件』によると、最初に切腹を行う土佐藩士守備隊長の箕浦猪之吉は、立ち会ったフランス公使らに「フランス人共聴け。&ruby(おれ){己};は&ruby(うぬら){汝等};のためには死なぬ。皇国のために死ぬる。日本男子の切腹を好く見て置け」と叫んで割腹したのち自らの内臓を投げつけ、後に続いた土佐藩士たちも同様に行ったという。
『かってに改蔵』第273話でネタになった時には名取羽美が語り、本作では暗落亭苦来が語る辺りがさりげないリフレイン。
2コマ目[編集]
丸京「責任取り過ぎて 逆に罪悪感を持たせようとしているのかとさえ思う」[編集]
堺事件での切腹のように、臓物を取り出したり投げつけたりする行為は「無念腹」と呼ばれ、武士が死の無念さを示す最大級の反抗意志表明でもあった[6]。これを察したのか、立会ったフランス海軍のデュプティ=トゥアール艦長は、処刑者20名のうち11人が死亡した時点で日本側に中止を求めた理由を「こうした形の処刑では日本側への戒めにならず、侍たちが英雄視される」との旨を日誌に書いている。また、11人の切腹で止めたのは死亡したフランス水兵と同じ数になったためといわれる。
処刑後、明治政府代表との会談でフランスのレオン・ロッシュ公使は日本側の対応が迅速で、かつ謝罪履行の意思が十分であると評価し、処刑未執行9名の助命了承と天皇謁見の意を表明した。
この事件で親幕派[7]だったフランスは明治政府への懐疑的姿勢を転換し、明治政府を承認する他の欧米諸国の方針に協調するようになり、結果的に明治政府の外交危機は辛くも回避されることとなった。
P111[編集]
2コマ目[編集]
魔梨威「ガンジーでもそんな事言わねーよ!!」[編集]
インドの政治指導者、モハンダス・カラムチャンド・ガンディー(尊称:マハトマ・ガンディー)のこと。
3コマ目[編集]
苦来「あと30年前の製品の不具合で回収をお願いするCM」
石油ストーブ[編集]
コロナの石油ストーブ、ナショナル(現・パナソニック)の石油ファンヒーターなどが回収対象として注意喚起のCMが流されている。
また暖房機以外でも、サンヨーの扇風機などが同様の措置を取っている。
P112[編集]
3,4コマ目[編集]
魔梨威「ガンジーでもそんな事しねーよ!!」
苦来「まあガンジーはしないだろうね 暴力だし」
木胡桃「マリーさんがガンジーを最近知ったのは分かった」[編集]
ガンジーが自らの宗教観と倫理観に基づいた「非暴力・不服従」の信念を提唱し、イギリスからの独立を勝ち取ったことは有名。
だが、対立していたイスラム教徒との宥和に尽力するも、逆にヒンドゥー教過激派から憎まれて暗殺されてしまう。以降イスラム教徒側はパキスタンとして分離独立し、長く続いた紛争で双方とも核武装するに至る現状が皮肉でもある。
ちなみに、日本では「愛は平和ではない。愛は戦いである。」の言が梶原一騎原作の漫画『愛と誠』の冒頭エピグラフに引用されたことで知られているインド初代首相のジャワハルラール・ネルーはガンジーの死後、業績への敬意を保ちつつも思想は非現実的として国策から距離を置くようになった。
マリーさんが暴力的な場面でガンジーを引き合いに出しているのは主に2ちゃんねるで使われている言い回し「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」からか。
5コマ目[編集]
丸京「これ渋谷ハローワーク前にある 歩行者保護のための自転車速度制御ポールなんだよ」[編集]
土地の起伏が多い渋谷区内ではこの場所以外の歩道にもこうしたポールが設置されており、その多くは道幅が狭い坂道である。通行域に敷かれているプレートは視覚障害者のための点字ブロックである。
自転車は厳密には「軽車両」に該当し、原則車道通行である。自転車と歩行者の事故多発の対策として警察では2011年から自転車の車道通行を進める方針を表明しているが、日本以外の多くの諸外国では道路に自転車通行域を設けて歩行者及び自動車との通行分化を進めているのに対し、日本の道路設計が全くそのようになっておらず、また現状でそのように改めるのが非常に困難なゆえの苦肉の策といえる。
P113[編集]
4,5コマ目[編集]
丸京「だから本当の神対応は こーゆうのを言うと思う!!」[編集]
サポセンに電話が繋がらない[編集]
保証期間過ぎたらすぐ壊れる[編集]
無慈悲な言葉「仕様です」[編集]
ゲーム関係に多い台詞で、有名なのは『海腹川背Portable』。体験版で多くのバグが発覚していたにも関わらず未修整のまま販売、これに激怒したプレイヤーがサポートセンターに連絡した際に言われた言葉。他にも多数の件がある。
なお、近年はネットの普及もあって後日バグを解消する修正パッチを配信することも多いが、逆に「いつでも修正できる」ということでバグがあるのを知りながら発売するといった行為も見受けられる。
6コマ目[編集]
警察官[編集]
画中の警察官は2時間ドラマ『警視庁鑑識班』シリーズの中山淳彦(演:西村和彦)に似せたのだろうか。
P114[編集]
1コマ目[編集]
魔梨威「そんなに疑うなら調べればいいだろ!!」[編集]
講談や時代劇では女スリが疑われた時、自ら脱いで潔白を証明せんと見栄を切り、相手をうろたえさせて場をしのぐのがベタな展開。
無論、途中で相手が疑いを取り下げるので全部脱ぐには至らないのだが、中には女スリ団がなぜか全裸で敵対するやくざ組織と戦ってしまう展開のお色気仁侠映画『やさぐれ姉御伝 総括リンチ』というのもあったりする。
3コマ目[編集]
丸京「ガンジーでも そんな事しない!!」[編集]
散々ガンジーをネタにした魔梨威がZになった行為についての丸京のツッコミ。
ガンディーはブラフマチャリア(ブラフチャーマーリヤ)の誓いにより禁欲主義を取っていたことで知られている。
しかし晩年は、「ブラフマチャリアの実験」と称し寝所に複数人の裸の女性を侍らせており、姪達との近親相姦(姪たちは他の男性と結婚していたため不倫関係にも該当する)など禁欲の誓いに反する行動をとっていたことが暴露されている。
欄外[編集]
マリーさん・・・・・・最近、脱ぐのが快感になってる節がありますね・・・・・・。[編集]
P655 じょしらく TVアニメ通信(雑誌掲載時のみ)[編集]
前回のアニメ化について新情報公開予定は次回に延期。
代わりに久米田康治・ヤス両先生のコメントを掲載。
次号予告でおなじみミヤジマ先生の漫画でもアニメ化特集で魔梨威が描かれているが、同じくアニメ化作品の『さんかれあ』の影響とミヤジマ先生のネタでゾンビ化させられている。
義務?[編集]
今話の覆面落語家[編集]
P102扉絵[編集]
買い物客のリュックサックについているキーホルダーになっている。
かゆいところ[編集]
前回の余韻か否か定かではないが、今回は全体的にテンション高めで集中線が多く使われている。
P103の3コマ目⇒P107の4コマ目[編集]
雛人形の髪が膨らんで御内裏様を押しのけている。
P105の魔梨威全身絵[編集]
かつて七日目/無情風呂では苦手としていた内股だが、立ち状態では克服したようである。
- ↑ ディズニーリゾート内に10万人いる状態で震度6強の地震を想定していた。また、抜き打ちで年180回の防災訓練を実施しているという。
- ↑ ただし私鉄と比べ、被災地域への対応、電力の確保、広範囲に及ぶ安全確認が必要だったことなど、考慮する点も多い。
- ↑ 後日、石原慎太郎都知事から名指しで批判されている。
- ↑ 堺事件の約1ヶ月前には、備前藩士が神戸の外国人居留区のフランス水兵を負傷させ、怒った英米仏の三ヶ国が神戸中心部を武力制圧する「神戸事件」が起きており、この事件をきっかけに新政府は尊皇攘夷から転じて開国和親の方針を公使団に伝えていた。なお、開国の方針は尊攘派を刺激しないよう秘匿され、1969年(明治2年)の戊辰戦争終結後に公表された。
- ↑ しかし堺事件から約2週間後(切腹からは1週間後)に、堺事件の処置について激発した志士2名によりイギリス公使ハリー・パークス一行が知恩院から京都御所へ向かう途上で襲撃されている(パークス襲撃事件)。
- ↑ 管理体制が強まった江戸時代以降は不謹慎とされたが、戦国時代ごろまでは堂々と行われていたという。因みに、堺事件の約1ヶ月前に起きた神戸事件では備前藩士の滝善三郎が切腹に処されたが、無念腹には及んでいない。なお、滝の切腹は当時の慣例だった短刀を腹に当てた時点で介錯するものや短刀の代わりに扇を用いる「扇子腹」ではなく、見事な一文字腹の後に介錯されたため、立ち会った外交官らを通して「ハラキリ」が衝撃的なものとして世界に初めて伝えられた。
- ↑ フランスは、初代駐日公使のベルクールが生麦事件の仲介に関わってから徳川幕府への援助に積極的となった。後を継いで駐日公使となったロッシュはイギリスへの対抗心からフランス本国の意向を無視してまで徳川幕府に協力し、新政府側との交渉を欠いていた。なお、堺事件から間もなくロッシュは更迭されている。