Tag: 過去作 かってに改蔵 週刊少年サンデー

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かってに改蔵(かってにかいぞう)


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週刊少年サンデーにて1998年21・22合併号から2004年34号まで連載していた久米田康治先生の漫画作品。全289話、単行本全26巻。
累計発行部数700万部。

2001年度講談社漫画賞少年部門ノミネート作品(受賞作は赤松健の『ラブひな』)。
かねてから久米田先生はこの作品について「むしろ買って読まずに仕舞い込んで下さい」と総括していたが、2010年4月16日より久米田先生の画業20周年を記念して新装版が発売中。

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作品概要

東京都練馬区と埼玉県(新座市か和光市)の間にある「とらうま町*1を舞台に、日常の「よくあること」をネタに、様々な視点から皮肉を込めた考察を展開する学園ギャグ漫画。

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あらすじ

虎馬高校2年生の主人公「勝改蔵」は、元天才児で現在は思い込みの激しい超変人。
ある日、ふとした事故で気を失った彼は、科学部部長「彩園すず」の気まぐれ発言により、自分が改造人間になったと思い込んでしまう。
こうして科学部改め科特部に所属することとなった彼は、様々な怪人(と決め付けたただの変人)と戦う決意をする。
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初期設定と作品初期の展開:シモネタギャグ路線

初期設定では、元々主人公の勝改蔵は神童だったが、メインヒロインで幼馴染の名取羽美が公園の遊具の上から突き落としたせいでバカになってしまった。羽美はその事に負い目を感じており、どうにかして改蔵を元の天才に戻したいと考えているという設定であった。
なお、改蔵は幼少時代に地域のエリート塾「天才塾」に通っていてご近所からは神童と呼ばれていたが、上述の羽美の行為により改蔵が奇怪な言動をとるようになったため天才塾は崩壊してしまい、英才教育の中断により変態化してしまった天才塾の生徒たちに狙われるという設定であった。したがって作品初期は、主人公の勝改蔵が、かつて在籍した「天才塾」の刺客たちという出落ちキャラに狙われるという『行け!!南国アイスホッケー部』以来のパターンで展開され、『南国』から『太陽の戦士ポカポカ』へと踏襲されてきた露出などの下ネタを主としたギャグ展開が展開された。

しかしキャラクターが動き始めた作品中盤から、短所が出やすく動かしやすいキャラであった羽美が暴走キャラとしての立ち位置になってしまったため、逆に改蔵が割とまともな性格になり、その初期設定はほとんど忘れ去られてしまった。

久米田先生もこの変遷は理解していたらしく、劇中でもこのようなキャラクターの変化も何度かネタにされていた。

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連載中盤以降の展開:一話完結・羅列式ギャグの確立

しかし作品中盤以降は作風が大きく転換し、日常的な物事を収集・羅列するネタが作品において大きなウェイトを占めるのが特徴となっていった。
なお、これらネタの内容はマニアックなものからメジャーネタ、時事ネタや身内ネタ、そして通常生活とは無縁なネタまで幅広く披露されていた。これはクメプロのスタッフが大幅に入れ替えになったことに伴うもので、当時アシスタントであった畑健二郎前田くんなどの影響によるものが大きいようだ。

連載中盤以降はこの羅列ネタの形式が、一話完結で1話につき1テーマの形式をとるようになり、この作風は次作『さよなら絶望先生』にも受け継がれている。

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作家いじり

作品を通じて、色々な漫画家の作品関連ネタを使ったり、あるいは漫画家本人をネタ化する「作家いじり」が行われていたのも本作品の特徴である。
作品初期には、「南国」「ポカポカ」連載から引き続いて北崎拓(『ますらお』『なぎさMe公認』など)が頻繁にネタにされていたが、それ以後も攻撃の手は藤田和日郎(『うしおととら』『からくりサーカス』)、万乗大智(『DAN DOH!!』)、猪熊しのぶ(『SALAD DAYS』)ら週刊少年サンデー連載作家陣をいじり倒していた。この作家いじりはサンデーのみにとどまらず、週刊少年マガジンにて『ラブひな』を連載していら赤松健先生にも容赦ない攻撃を加え、果ては赤松先生に「久米田の野郎!」と反撃されることとなる(詳細は当該項目を参照)。これに対して一部のファンは赤松先生が本気で怒っていると思ったらしく、実際に賛否両論のメールや投書などが赤松先生宛てに殺到する事態となった。このため赤松先生がこの発言について、敵意ではなくジョークであり「もっと弄ってくれ」の意であると弁解することとなった。以降、赤松先生本人はむしろこの「作家いじり」を喜んでいた節があり、何度も自身のサイトで「久米田の野郎!」と取り上げていたが、そのたびにこの経緯を知らない双方の新規ファン同士が騒ぎを起こし、毎度その弁解に追われるなど対応に苦慮していた節もある。以降も久米田先生は改蔵の連載終了まで、『ラブひな』や『魔法先生ネギま!』を度々ネタに挙げいじり倒し、これに応じて赤松先生も自身のウェブサイト「AI Love Network」(⇒)にてリアクションをとるという、誌上稀にみる熱いバトルを繰り広げていた。

しかしこういった「作家いじり」は、久米田先生の「週刊少年マガジン」への移籍にあたり、マガジン編集部から赤松先生に対して久米田移籍の事前打診が行われたり(⇒)、『さよなら絶望先生』作品内では「作家いじり禁止」という編集方針が通告されたりといった形で余波が起きており、後に直球勝負のネタが制限されることとなる*2

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突然の打ち切り

好調に連載を続けていた最中に、突然の打ち切りとなり、ファンのみならず久米田先生本人をも驚かせた
なお、単行本第23巻の段階では、ファンブックや、キャラクターのストラップが同梱された特別版コミックの発売、次世代ワールドホビーフェアでのサイン会の開催など、編集部からもプッシュを受けていた。にも関わらず、その直後に突然打ち切られたため、不自然な終わり方が波紋を呼び、打ち切りとなったときはネット上を中心に様々な噂が流れることとなった。
なお、打ち切りの真相は公式には発表されておらず不明である(下記項目を参照)。

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打ち切り理由

打ち切りの真相は不明だが、仮説はいくつかある。

・仮説1「サンデー低年齢化路線説」
当時の週刊少年サンデーの行っていた読者層低年齢化路線の方針に相応しくなかったためという説で、最も有力な説である。
・仮説2「編集長の独断説」
連載当時の週刊少年サンデー編集長が、久米田康治の描く漫画を「息子に見せられない」と毛嫌いしていたらしいという説のこと。
この説に関しては、それをに匂わす記述が『かってに改蔵』第25巻「今巻の反省文」第6話分に掲載されている。
「この本には致命的欠陥がある。」
(中略)
Mはパラパラと頁をめくり、とある作品を指差してこういった。
「これだよこれ!!
 これがあるから息子に見せられないんだよ!!たまに致命傷だよ!!」。
その指の先には・・・いや、皆まで言うまい。
Mはその漫画雑誌の編集長だった。つまり、そういう事だ。

※ただし、「今巻の反省文」は、冗談も多分に含まれていると思われるので、
どこまで真実なのかは不明である。

この文章の文末を「つまり、連載終了になった理由はそういう事だ」という意味であると解釈すれば、この説は成立する。もしかしたら、「低年齢化路線に合わない」≒「子供たちに見せられない」という意味も込められていた…のかもしれない。この説が本当だとすれば、打ち切りは、当時のサンデー編集長:三上信一氏の独断ということになる。

ちなみに『かってに改蔵』終了後間もなく、サンデー編集長が交代しているが、その関連は不明である。
なお、新装版の単行本責任編集はこの元編集長が直々に行っている。これが何を意味するかも不明である。

・仮説3「自爆説」
作品中の記述による自爆ではないかとする説。
これは、第282話作品内において主人公の勝改蔵が「だったらこうしましょう!このまんが、5週以内にアンケート3位に入らなきゃ即打ち切り決定!!かわいそうでしょ!!ボクたちかわいそうでしょ!!」という発言をしたが、この宣言どおりに本当にアンケート三位に入れなかったため、打ち切りにせざるをえなかったいう説*3である。

反論としては、この漫画が終了したのはこの発言の回である第282話から6週後だが、5週目以前から物語を終わらせる方向に話が進んでいたため、人気に関係なく既に打ち切りは決定していたようだ。そのように考えると、この説の信憑性は薄い。
また、次話の第283話においても、作者が漫画内で年金未納だった期間が本当にあったという事をネタにして使った後、改蔵の「どう責任取る気だ」という追及に、作者が「全サンデー作家を代表し、職を辞する事を検討します・・・」と答えている事も含め、この時点ですでに打ち切りは決まっていたと思われる。

なお、その後『さよなら絶望先生単行本第九集」収載の紙ブログで「打ち切りの前にさんざんSOSを送った」とも記している。ただし、久米田先生はあとがきにも平気でネタを書くので信憑性は高くない。
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最終回までの展開

上述の通り、最終回の二か月ほど前よりにわかに打ち切りを匂わせるようなネタが登場していたが、最終回の三話手前あたりから物語は一気に収束へと向かっていく。
とらうま町という世界についてまとめ(第287話『とらうまの誇りとは』)、永らく忘れられていた「改蔵を元の天才に戻すこと」という伏線にも一応の決着をつけ、隠し扉の謎も解決する(第288話『最後の戦い』)。
最終回最終話『ずっと、いっしょだよ』では、すべてのタネ明かしが行われ大団円を迎えることとなる。この最終回のアイディアについては、後に久米田先生から「連載の割と早い段階からありましたね。」(宝島社「このマンガがすごい! SIDE-B」久米田康治ロングインタビューP30、2008年刊より)ことが公言されており、予想外に連載が長くなってしまったがこの最終回の構想に関しては単行本の5巻くらいまでには用意されていたとのこと*4

しかし単行本では最終話のあとに、単行本描き下ろし作品「大蛇足」が収載されており、最終回の感動をぶち壊すオチが追加されている。

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後の久米田作品に与えた影響

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テーマ性

かってに改蔵」と「さよなら絶望先生」はテーマがかぶることが多いが、扱われるネタは常にその時点での話題に触れるためネタそのものがかぶることは滅多にない。

また、『かってに改蔵』の中に登場していたキャラクターたちは、『さよなら絶望先生』中でも時々登場することがある。 特に名取羽美坪内地丹は出番が多い。

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海外版

台湾では小学館から正式認可を受けた長鴻出版社が繁体字中国語版の単行本を 『改造新人類』というタイトルで刊行している。装丁は日本版と同じ。
また、韓国語版も刊行されている。 小学館の正式な翻訳版かは不明だが、タイ語版も存在する。

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関連語句

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かってに改蔵各話リスト

こちら


*1 ただし、連載初期のみ埼玉県与野本町近辺とされていた。
*2 週刊マガジンではこのように複数の禁止事項が存在するとのことだが、以降もより複雑化した形態でさまざまな作家いじりが行われている。
*3 なお同様の例としては、かつて『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』から誕生した音楽ユニットである「ブラックビスケッツ」が、販促のために番組で指定された枚数の売上を達成できなければ解散とするを行ったが、目標を達成できず解散せざるをえない状況に追い込まれた例があった
*4 実際に、例の隠し扉についてはかってに改蔵第4巻第二話・第36話『科特部部室争奪戦』にて記載され伏線が張られた状態となっていた。

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最終更新時間: 2010-08-01 (日) 03:28:22 (10h)