二十四日目/青毛
二十四日目/青毛 (あおげ)[編集]
タイトルの元ネタは古典落語の『青菜』から。
初夏の晴れた日、植木屋は仕事先のご隠居から暑気払いに酒や肴をご馳走になる。
途中で青菜の料理を出そうとした折、ご隠居の奥方から
「旦那様、鞍馬山に牛若丸が出まして、名は九郎判官です」と言われる。
これにご隠居も「そうか、じゃ義経にしときなさい」と返す。
意味を分かりかねている植木屋にご隠居は、青菜は既に食べたので置いてないことをそのままお客の前で言うのは失礼だから、
「名(=菜)は九郎(=食ろう)判官です」「義経(=よしておけ)」と隠し言葉で言った旨を説明する。
ご隠居の粋な気遣いに感心した植木屋は、さっそく自分も真似てみようとするが‥‥
作品情報[編集]
2011年7月8日発売、別冊少年マガジン8月号に掲載。
P102[編集]
扉絵[編集]
プールサイドに座って腕組みをする空琉美遊亭丸京。
丸京の胸を見て呆然とする波浪浮亭木胡桃と蕪羅亭魔梨威。
アイマスクを着けてプールサイドで寝そべる防波亭手寅。
プールに入っている暗落亭苦来。
P103[編集]
4コマ目[編集]
魔梨威「これじゃ クールビズじゃなくて 忍者だろ!!」[編集]
作中のような袖なし腰丈の着物スタイルの
忍者が実在したか否か考証の程は全く定かでないが、漫画では古くは『カムイ伝』および『カムイ外伝』、『ワタリ』『サスケ』『真田剣流』など白土三平の時代劇漫画では男女問わずに多く見られるスタイル。実写でも『快傑ライオン丸』に登場する沙織が同様の装いだが、これに作者のうしおそうじは「パンチラで大人受けも狙うデザインにした」と語っている。
こうした先例に影響を受けたのか、近年は白土的スタイルがくのいちの主流と言ってももはや過言ではないほどによく見られる。
主な例では漫画では小山ゆうの『あずみ』や古賀亮一の『ニニンがシノブ伝』、山田秀樹の『魔乳秘剣帖』などに引き継がれているほか、現代的なデザインを取り入れた岸本斉史の漫画『NARUTO -ナルト-』でも、露出度は概ね同様に保っている。
ゲームでは『キングオブファイターズ』の不知火舞、『DEAD OR ALIVE』の霞、『紅忍 血河の舞』の紅、『クイーンズブレイド』のシズカなどが挙げられる。
ちなみに小池一夫作品の場合はさらにクールを貫き、『子連れ狼』の柳生鞘香はビキニ、『忘八武士道』『&ruby(ソールジャー){葬流者};』にいたっては全裸くのいちが集団で襲いかかってきたりする。
P104[編集]
P105[編集]
3コマ目[編集]
木胡桃「新橋のお父さんに 聞いても 100人中100人が忍者って 答えるよ!」[編集]
東京の新橋駅周辺はビジネス街で駅前では中年男性の比率が多い上に地理的にTV局に近いので取材現場になることが多く[1]、中年男性への街頭インタビューがよく行われる。
ボードに印をつける二択式インタビューは民放局ではよく行われているスタイル。画中の人物はTBSテレビの『みのもんたの朝ズバッ!』に出演しているみのもんただろうか。
6コマ目[編集]
貼り紙「地デジ 今月 終」(雑誌掲載時)[編集]
2011年7月24日にテレビの地上デジタル放送への完全移行が予定されている。
ただし、受信設備の普及の遅れから、ケーブルテレビ(約2200万世帯が加入)では7月24日以降も3〜5年程度を予定してアナログに電波変換した放送を続ける。
遺影(単行本加筆)[編集]
デジタル放送の移行反対を趣旨に2ちゃんねるの有志が創作したマスコットキャラ「アナロ熊」の遺影。公式主題歌も作られた他、アナログ放送の正式終了後に秋葉原で葬儀も行われた。
作中では目線が入っているが、実際には著作権フリーである[2]。
P106[編集]
単行本では4コマ目の木胡桃の涙目を強調している。
1コマ目[編集]
苦来「身も凍るような恐ろしい怪談で お客様を涼しくして差し上げるの」[編集]
苦来の言う通り、夏場の寄席では怪談噺が演目に挙がる機会が増える。
コマ隣の全身絵で苦来が懐中電灯を下向きに照らしているが、昔の寄席の怪談では会場の照明を落とし、前座の若手噺家や芸人が幽霊役になって客席を驚かせて回る演出があった。
P107[編集]
単行本では1コマ目の背景を加筆、3コマ目の虫眼鏡の角度を変えて描き直している。
5コマ目[編集]
丸京「ただの 白い防護服を 着た人間でした」[編集]
2011年3月の東日本大震災による福島第一原発の炉心溶融事故以来、放射線防護服はニュース等でよく見かけるようになった。
ちなみに、何故防護服が白色なのかは定かではないが、自衛隊などの軍用装備品を除いて一般に流通しているものの多くが白色、ほか黄色や橙色が少しある程度のようだ(価格は約3〜4万円前後)。
「白い服の人物」が移る謎写真としては1964年に英国で撮影された「スペースマン」がよく知られており、草原に映った宇宙飛行士のような謎の人物の正体については様々な憶測が流れている。一説には撮影者のテンプルトン氏の妻が露出過剰で白っぽく映ったともいわれているが、テンプルトン氏は撮影の場に該当者はいなかったと主張している。
P108[編集]
単行本では2コマ目の背景、6コマ目の魔梨威の擬音を加筆。
P109[編集]
4コマ目[編集]
丸京「やめろやめろ言われても居座り続ける総理でした」[編集]
菅直人首相のこと。
2011年2月中旬頃の世論調査では内閣支持率が軒並み20%以下に落ち、政権維持は風前の灯火と思いきや、東日本大震災が起きて以降は震災復興を大義名分にして続投の意向を強め、辞任要求への抵抗に転じる。
2011年7月現在においては野党のみならず与党反首相派からも震災対応の不手際などを度々糾弾され、与党執行部との関係も悪化しているが、内閣不信任案も否決に終わり、辞任への決め手がいま一歩及ばない状況にある。
P110[編集]
1コマ目[編集]
貼り紙「今来た道をもどるべし」「時計回り」[編集]
RPGゲーム『天外魔境ZIRIA』の江戸城地下回廊での戦いだろうか。
また、心霊スポットでは時計回りに移動しないと呪われてしまうという俗説がある。出自は定かでは無いが、大半のお化け屋敷が時計回りに造られているのに起因しているのかもしれない。尚何故お化け屋敷に時計回りが多いかと言うと、人間は反時計回りが概ね落ち着き、逆は不安感を増大する性質があるから、お化け屋敷で落ち着かれては困ると時計回りに成っているそうだ。逆に落ち着いてショッピングしてほしいと客商売、特にコンビニなどは反時計回りを多く採用している。
単行本では地蔵と墓石販売のポスターが加筆されている。
3コマ目[編集]
木胡桃「この世のものとは思えぬラップ音!」[編集]
この場合はヒップホップミュージックでよく用いられる歌唱法(rap)ではなく、心霊現象として知られる原因不明の物音のこと。心霊研究家の筋では家屋に憑く霊魂が起こすと見ているが、この現象における最古の事件の当事者とされるアメリカのフォックス姉妹は、音が鳴るのはトリックである旨を暴露した後に撤回しており、結論はうやむやになっている。
科学的見地からの検証からは、温度変化による建築材(主に木材)の微妙な伸縮、人間の耳では聞き取れない低周波音の共鳴などの説が出ている。
5コマ目[編集]
丸京「やたら聞こえてくるこの国のものとは思えぬPOPSの方が怖い」[編集]
近年は韓国産のアイドル歌手たちの日本国内での芸能活動が増え、K-POPSと呼ばれるジャンルを形成するに至っている。
6コマ目[編集]
木胡桃「だって あの国のPOPSは大人気なんでしょう?」[編集]
K-POP人気においては、2010年8月にNHKのニュースで韓国アイドルの日本デビューを第一報で流したことがある。(さよなら絶望先生第235話参照)
また、2011年2月のTV番組で、コメンテーターの木村太郎がK-POP普及には韓国の国家戦略があり、広告会社と組んでネット動画再生を誘導しているといった旨の指摘をした事に対し、韓国政府ブランド委員会[3]からのクレームで司会の宮根誠司が謝罪した一件があった。
さらにオリコンのシングルのデイリーランキング(2011年5月3日付)において、韓国人の男性5人組ユニットの&ruby(エムブラック){MBLAQ};の曲『Your Luv』が、日本デビューシングルにしていきなりの1位になった事を発表する話があったりもする。
P111[編集]
単行本では10コマ目の擬音を加筆。
5コマ目[編集]
魔梨威「おそろしいいい」
苦来「誰も買ってないのに大人気なんて!」[編集]
一般的見地では、人気とはデビューの後にある程度の期間を経ることで蓄積される知名度や好感度の普及の結果といえる。デビュー間もない頃に爆発的人気が出た後、伸び悩んで一発屋に終わる場合はこうした経年的蓄積と普及に失敗したことが原因である。
ゆえに盛大な宣伝と実質的人気が必ずしも一致しているとは限らない。
ちなみに、K-POPSのCD著作権の殆どは日本のTV局傘下の音楽出版社が所有しており、最も盛んに行っているのはフジテレビ系列で、東方神起、KARA、少女時代など有名グループはみなフジ子会社のフジパシフィック音楽出版が取得している[4]。
参考2:2010年オリコン年間ランキングトップ10
~ | ~シングル | ~アルバム |
CENTER:1 | Begginner(AKB48) | 僕の見ている風景(嵐) |
CENTER:2 | ヘビーローテーション(AKB48) | いきものばかり 〜メンバーズベストセレクション〜(いきものががり) |
CENTER:3 | Troublemaker(嵐) | to LOVE(西野カナ) |
CENTER:4 | Monstar(嵐) | ファンキーモンキーズBESTセレクション(FUNKY MONKEY BABYS) |
CENTER:5 | ポニーテールとシュシュ(AKB48) | SENSE(Mr.Children) |
CENTER:6 | 果てない空(嵐) | PAST<FUTURE(安室奈美恵) |
CENTER:7 | LΦve Rainbow(嵐) | BEST SELECTION 2010(東方神起) |
CENTER:8 | チャンスの順番(AKB48) | ハジマリノウタ(いきものがかり) |
CENTER:9 | Dear Snow(嵐) | THE BEST BANG!!(福山雅治) |
CENTER:10 | To be free(嵐) | 5years(木村カエラ) |
6コマ目[編集]
苦来「じゃあ あの方も大変ね」[編集]
水木しげるの漫画及びアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のこと。
かつては週刊少年マガジンの連載作であった。
7コマ目[編集]
苦来「妖怪ポストより モニタリングポストが注目されて」[編集]
妖怪ポストは『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪専用の郵便受けで、鬼太郎たちに仕事を依頼する際にはこれに投函する。ちなみに原作者の水木しげるの故郷である鳥取県境港市の水木しげる記念館にはそっくりの郵便ポストがあり、投函すると鬼太郎デザインの消印が押される。
モニタリングポストは、正式名称を環境放射線観測局といい、大気中に含まれる放射線量を定点観測している。各都道府県に設置され、計測結果は文部科学省から公表されている。
2011年3月に起きた東日本大震災による福島第一発電所の炉心溶融事故で放射性物質が拡散して以来、その測定が大きく注目されるようになった。
また、放射性物質は低めの場所に滞留・蓄積しやすい傾向があることから、観測機器設置においては高さも細かく指定を受けるなど、細心の注意がはらわれている。[5]
8コマ目[編集]
苦来「妖怪アンテナより ガイガーカウンターを気にされて」[編集]
妖怪アンテナは『ゲゲゲの鬼太郎』にて鬼太郎が敵方の妖気を察知したときに頭頂部の髪が逆立つ能力。
ガイガーカウンターは放射線量の強弱を計測する機器。発明者のハンス・ガイガーとワルター・ミュラーの名を由来とし、正式にはガイガー=ミュラー計数管という。
2011年3月に起きた東日本大震災による福島第一発電所の炉心溶融事故で放射性物質が拡散して以来、その需要が大きく伸び、報道機関や個人レベルでも頻繁に用いられるようになったほか、秋葉原電気街などの専門店での一般向け販売量も増えている。
P112[編集]
単行本では3コマ目の魔梨威の顔の省略を減らす形で修正。7コマ目の手寅の顔も眉をツリ気味に修正して緊迫感を強調した表情に修正している。
1コマ目[編集]
貼り紙「あの日見た覆面の名前を僕達はま* 知*」[編集]
2011年4月〜6月に放送されたアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の捩り。
単行本では塗る面積がより広く加筆されている。
8コマ目[編集]
ヘアカラー Pretty[編集]
パッケージがホーユーのヘアカラー「Beauteen」にやや似ている。
P113[編集]
単行本では7〜9コマ目の背景をトーン付きで加筆。
1コマ目[編集]
木胡桃「コナタかよ」[編集]
美水かがみの4コマ漫画及びアニメ『らき☆すた』の主人公である泉こなた。
苦来「アヤナミですか」[編集]
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のメイン・ヒロインである綾波レイ。
魔梨威「あおし様かよ」[編集]
和月伸宏の漫画及びアニメ『るろうに剣心』のサブ・キャラクターである四乃森蒼紫。
名前に蒼は付くが、青髪ではなく黒髪である。
丸京「ソルジャーブルーかよ」[編集]
竹宮惠子の漫画及びアニメ『&ruby(テラ){地球};へ…』のメイン・キャラクターであるソルジャー・ブルー。
名前にブルーは付くが、アニメ版では青髪ではなく銀髪である。
なお、ソルジャー・ブルーは元々アメリカの西部劇映画のタイトルである。
また、OVA『機甲猟兵メロウリンク』(『装甲騎兵ボトムズ』の外伝)の主題歌タイトルにもなっている。
このため、世代によってはキャラクター以外のものをイメージするかもしれない。
4コマ目[編集]
木胡桃「夏休みはタッチの再放送をやめて青髪キャラだけつないで放送するべきよ」[編集]
夏休みは高校野球に合わせて、「目指せ甲子園!タッチ」のタイトルで再放送されるのが恒例となっていた。日本テレビでの放送だが、本放送当時はフジテレビだった。
いっそ髪だけと言わず、ドラえもんやロックマンのように、全体的に青いキャラのアニメを流すというのもいいのかもしれない。
背景のキャラクター[編集]
- 上段右
- 『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ。
- 上段中
- 『&ruby(テラ){地球};へ…』のソルジャー・ブルー。
- 上段左
- 中段右
- 『新世紀エヴァンゲリオン』の葛城ミサト。あるいは『とらドラ!』の川嶋亜美。
- 中段中
- 『おジャ魔女どれみ』の妹尾あいこ。
- 中段左
- 『美少女戦士セーラームーン』の水野亜美(セーラーマーキュリー)。
- 下段
- 『ハヤテのごとく!』の綾崎ハヤテ?
P114[編集]
単行本では3コマ目に木胡桃、丸京、苦来が加筆されている。
欄外(雑誌掲載時)[編集]
今月は節電で締め切りが48時間早くなり、両先生真っ青でした。[編集]
東日本大震災以来、講談社でもスケジュールの短縮前倒しを行っていると発表されている。
P633 楽屋雀の巣 じょしらく通信 ファンページ(雑誌掲載時のみ)[編集]
前回に引き続きキャラ水着イラスト発表中。
義務?[編集]
今話の覆面落語家[編集]
今回はP112・1コマ目のポスターでの登場のみ。
かゆいところ[編集]
クールビズ軽装に合わせたのかは不明だが、今話は丸京のメガネの形が逆三角へと変わっている。
また、単行本では眼鏡のフレームを太く加筆している。
P103の1コマ目[編集]
観客席にはクールビズ姿目当てに写真撮影をしている人々がいる。
P108の6コマ目[編集]
額縁に信者のおばさんの写真あり。地縛霊とは異なるが、直接的出番はなくとも楽屋に現れ続けている。
P109の7コマ目[編集]
背後にいる日本人形が幽霊化(憑依?)。